身に覚えのない請求にご注意ください!
北海道立消費生活センターの相談窓口には、「身に覚えのない有料サイトの請求がはがき、電子メールで突然届いた」という苦情相談がここ数年多く寄せられています。
同様の相談は全国各地の相談窓口にも多数寄せられています。
身に覚えのないものに対しては、支払う必要は当然ありません。このような請求はがきなどが届いても一切無視しましょう。不安になり連絡先へ電話をすると、脅しめいた請求をされたり、新たに個人情報を漏らすことにもなりかねませんので、ご注意ください。
道では、このような不当請求が多発していることを受けて、平成16年11月より、被害の未然防止のため一定以上の相談が寄せられた事業者等についてホームページでその名称や葉書の内容について情報提供を行っています。(道ホームページ「不当請求事業者名等の情報提供」)
なお、最近、少額訴訟などを悪用した新手の架空請求もみられるようです。
裁判所からの特別送達(訴状と口頭弁論の呼出状)が万一送られてきた場合は、無視すると欠席裁判により敗訴となってしまいます。このようなケースでは無視をせず、消費生活センターや弁護士にすぐ相談しましょう。
ただし、はがきなどの請求で巧妙に裁判をちらつかせ、公的機関を騙るものが多数あります。はがきにある連絡先に問い合わせることは絶対に避けてください。裁判所からの通知が官製はがきや紙1枚でくることはありえません。(詳しくは法務省民事局ホームページ「督促手続・少額訴訟手続を悪用した架空請求にご注意ください」を参照)
以下に、最近の代表的な手口と、対処方法を掲載しています。
最近の手口
- 主にはがきや電子メール、携帯電話などで身に覚えのないインターネットや電話情報サービス(アダルトサイトや出会い系サイトなど)の利用料を請求されます。中には、既に亡くなった人が借金をしていた、連帯保証人になっていたなどと言って、未払い分を請求してくる悪質なものも見受けられます。
- 「電子消費未納料金」といった名目で、あえて内容を特定せずに請求はがきを送ってくるものがあります。これらは、請求の文面に具体的な利用日時や請求の内訳、具体的な金額は明示していないものがほとんどです。身に覚えがなく、不安になって問い合わせるという消費者心理を狙ったものです。
- 「支払わないと裁判手続き」「回収員が自宅まで回収に行く」「財産の差し押さえ」「ブラックリストに登録」など、脅しめいた文言で不安にさせ、電話をかけさせて、さらに追い打ちをかけるように脅し口調で数万円〜数十万円の請求をしてきます。また、支払うつもりがなくても、巧みに会社や自宅の電話番号など新たな個人情報を聞き出すケースもあります。
- これらのほとんどは利用料、延滞料、調査料、裁判取り下げ費用などと称して高額な請求をしてきますが、何らかの名簿を悪用して不特定多数に請求している架空請求が多いと思われます。
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架空請求のはがきの文例
(原文より一部変えてあります)
対処方法
- 身に覚えのない請求に対して応じる必要は一切ありません。支払わないでください。
- 「法務省認可」などともっともらしい表現に惑わされないでください。ほとんどのケースが虚偽記載です。また、債権回収会社を名乗っているケースもありますが、債権回収は弁護士または法務大臣の許可を受けた会社でなければ営むことができません。回収できる債権も決まっています。有料サイト料金などはその特定債権には含まれていません。(詳しくは法務省ホームページでご確認ください)
- また、「債権を譲渡されたから連絡しろ」というものも多くみられますが、債権譲渡の場合、債権を譲渡された者(譲受人。この場合請求業者)が債務者(この場合請求された消費者)に対抗するためには、元の債権者(譲渡人。つまり債権を譲った者)から債務者に対して債権譲渡をした旨の通知をするか、債務者自身が債権譲渡を承諾しなければなりません。ここで挙げている有料サイトの不当請求などのケースでは、そもそも譲渡する債権が存在しない架空の場合はもちろんのこと、たとえ利用した事実があったとしても、債権譲渡が譲渡人から債務者に通知されることはほとんど見受けられず、一方的に債権譲渡されたと説明するだけであり、このような場合は第三者である譲受人に対して支払う必要はありません。
- 請求はがきが届いても無視することが一番です。こちらから問い合わせたりすると脅しめいた請求をされたり、新たな個人情報を漏らすことになりかねません。ご注意ください。
- はがきやメールなど請求文書は証拠として、念のため保存しておきましょう。
- 脅迫や悪質な取り立てを受けた場合、また万一支払ってしまったときは警察へ相談しましょう。
- 最近少額訴訟などを悪用した新手の架空請求もみられるようです。裁判所からの特別送達(訴状と口頭弁論の呼出状)が万一送られてきた場合は、無視すると欠席裁判により敗訴となってしまいます。このようなケースでは無視をせず、消費生活センターや弁護士に相談しましょう。
- ただし、はがきなどの請求で巧妙に裁判をちらつかせ、公的機関を騙るものが多数あります。はがきにある連絡先に問い合わせることは絶対に避けてください。裁判所からの通知が官製はがきや紙1枚でくることはありえません。(詳しくは法務省民事局ホームページ「督促手続・少額訴訟手続を悪用した架空請求にご注意ください」を参照)
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不安なときはお近くの消費生活センターや市町村へご相談ください。
消費生活相談窓口一覧はこちら
アクセスしただけで料金請求された場合
- 携帯電話にアダルトサイトや出会い系サイトの広告メールが届き、文中にあるURLからアクセスしただけで登録となり高額料金を請求されたと、いう相談が多数寄せられています。この場合、後で規約を読むと有料であることや、アクセスした時点で契約成立などと書かれていることもあります。
- アクセスしただけで契約が成立しているとはいえません。契約とは双方(ここでは利用者とサイト運営業者)の合意があって成立するものであり、一方的な請求には応じる必要はありません。
無料と思い登録して、料金請求された場合
- 同じく広告メールで「完全無料」とあったので登録したら、登録料を請求されたという事例も多くみられます。
- 電子商取引では、「電子消費者契約法」(「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」)で、事業者側(ここではサイト運営業者)が、消費者の意思の確認画面を設ける措置を講じていなければ、消費者は錯誤(勘違い)による契約の無効を主張できるとされていますので、支払う必要はないと考えられます。ただし、このような不当な請求をする悪質業者とは、まともに話ができるとは思えないので相手にしないことです。
消費者のみなさまへ
上記のように出会い系サイトやアダルトサイトにかかわる相談が大変多く寄せられています。
インターネットは大変便利ですが、その反面匿名性が高く、トラブルが起こったときに相手が特定できないと、解決が困難となります。利用する場合は十分注意が必要です。
また、利用する場合は、サイトの規約や確認画面などを保存したり、プリントアウトしておくなどの対処もしておきましょう。迷惑メールを受信しても、このようなトラブルが多発していることを認識し、不用意にアクセスなどしないよう注意してください。
はがきやメール、電話などで不当な請求を受けても、身に覚えがなければ支払う必要はまったくありませんので、相手の脅迫的な言動や文言に惑わされず、毅然とした対応をしましょう。
多少身に覚えがあったとしても、安易に支払ったりせず、利用した事業者からの正規の請求か、請求内容に間違いはないか、事実確認を必ずしましょう。不安なときはお近くの消費生活センターなどの相談窓口に相談してください。
このような相談は、全国的に急増しており、各関係機関でも注意を呼びかけています。