・原野商法の二次被害に注意!購入した原野が売却できる?(3月掲載)

・銀行からの調査と思ったら…フィッシングメールでカードが悪用された(2月掲載)

・引っ越しをキャンセル 段ボール返送料の支払いは必要!?(2月掲載)

・ドローンで屋根を点検 雪害がなくても火災が給付される!(1月掲載)

原野商法の二次被害に注意!購入した原野が売却できる?

   3月掲載)

 

Q 不動産会社から80代の母に電話があり、所有する原野を売却できると言われた。母は、30年前に原野を購入して以来処分したいと思っていたため、自宅に来てもらうことにした。4日前、担当者が家に来たので母と一緒に話を聞き、原野を売却するためには業務委託費用が必要と説明されて契約書を交わし、約40万円を支払った。しかし、インターネットで不動産会社の情報を見て不安になった。返金してほしい。(60代 男性)

 

A  原野商法とは、値上がりの見込みがほとんどないような山林や原野について、将来高値で売れるなどと勧誘して不当に買わせる販売手口です。

過去に原野商法で土地を購入して処分に困っている消費者に、売却するためと言って測量費用や広告費用などのさまざまな名目で金銭を支払わせる二次被害の相談が消費生活センターに寄せられています。

この事例では、事業者が自宅に来て契約をしているので、訪問販売と考えられます。

訪問販売による契約は特定商取引法で規制されており、事業者は勧誘に先立ち事業者名や販売目的を告げなければならず、同法で定められた内容を記した契約書面を交付する義務もあります。消費者は契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフをすることができます。

契約書面を確認したところ、土地の現況確認、看板の設置、管理など複数の業務を委託する内容でした。また、この契約が特定商取引法に該当するとして、クーリング・オフができる旨も記載されていました。

当センターから相談者に対して、クーリング・オフができることを説明し、相談者が通知書に返金先の口座を記載して発信しました。その後、契約金額全額が返金されたことを確認し、相談を終了しました。

 

相続登記の義務化に便乗した勧誘にも注意!

相続後も登記変更されずに所有者不明となった不動産が増加し社会問題となったため、2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。相続人は不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、正当な理由なく相続登記をしない場合は、過料(違反者に金銭負担を課すこと)の対象となります。今後は、このような相続登記の義務化に乗じた勧誘も考えられます。

このほか、原野でも太陽光発電用地などとして売れるといった勧誘もあり、家族に負担をかけないためにも売却したいとの高齢者の気持ちにつけこんでいるケースもあります。

原野を含む不動産の処分や相続等については、さまざまな情報を集めてよく検討しましょう。

困ったことがあれば、最寄りの消費生活相談窓口にすぐに相談しましょう。

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銀行からの調査と思ったら…フィッシングメールでカードが悪用された

   2月掲載)

 

Q  昨日、銀行口座の利用目的に関する照会メールが届いたので、サイトにアクセスして銀行のキャッシュカードやクレジットカードの番号などを入力した。その後、海外経由でクレジットカード決済されたとの通知が届いたため、カード会社に連絡して利用した覚えがないことを伝えたが、請求が確定する前なので何もできないと言われ困っている。(40代 女性)

 

A  クレジットカード会社や金融機関など、実在する企業をかたったメールを送り付け、カード番号やパスワード、アカウントIDなどの情報を詐取するフィッシング詐欺の相談が依然として多く寄せられています。メール本文に記載されている住所や電話番号が正規のものと同じ場合もあり、手口も巧妙化しています。

相談者には、今後の悪用を防ぐためにカード会社に連絡してカード番号の変更手続きをするよう助言しました。また請求が確定した場合には、カード会社に利用の覚えがないことを伝えて、請求を取り下げてもらえないか話し合ってみるよう助言しました。

不審なメールが届いた場合は、事業者の公式サイトなどで、本物かどうかを確認しましょう。

トラブルに遭ったら、早急に最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

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引っ越しをキャンセル 段ボール返送料の支払いは必要!?

   2月掲載)

 

Q   1 ヵ月後に引っ越しする予定で、引っ越し業者紹介サイトに登録した。事業者から電話が来て、電話で荷物の概要を伝えて見積書をもらい、申し込みした。引っ越しを延期することにしたため、キャンセルを申し出たら、段ボールを発送済みなので返送料4,000円を請求されたが、見積書には記載がなく、事前説明もなかったため、納得できない。(60代 女性)

 

A  運送業者は国土交通省が定めた「標準引越運送約款」に基づくルールにより引っ越しを行います。同約款では解約料のほかに、提供されているサービスがある場合、見積書に明記されていれば、その費用を徴収できるとされています。

段ボールの返送に関して、見積書に記載されていない旨を伝えて、事業者と話し合う方法があることを助言しました。また北海道トラック協会でも相談を受けていることを伝えたところ、同協会が事業者と交渉してくれて、請求が取り下げられたと報告がありました。

引っ越しの見積りは無料ですが、電話やインターネットだけの見積りは避けて、複数の事業者から見積りをもらって比較しましょう。例年3〜4月にかけて引っ越しが集中しますが、人手不足などにより希望に添えない場合もあるようですので、早めの準備を心がけましょう。

 

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ドローンで屋根を点検 雪害がなくても火災保険が給付される!

   1月掲載)

 

Q  父が「火災保険で自宅の修理ができる」とのチラシを見て、電話で網戸の修理を依頼した。3日前に事業者が訪問し、「網戸の修理は火災保険の対象にならない。他のところを点検してみる」と言い、ドローンを使って屋根の点検をしたようだ。「アンテナの破損と屋根のへこみがあるので、雪害で破損したことにすれば保険がおりる。そのお金で網戸を修理すれば良い」と説明され、火災保険申請サポートと屋根などの修理工事を契約したが、保険会社にうその申請をするのが不安になったようで、解約したいと言っている。解約料がかかるようだが、どうしたら良いか。(50代男性)

 

A 契約当事者である父親に話を聞くと、「屋根の点検は頼んでいないのに、勝手に事業者がやった。工事の見積りは渡されたが、工事をすることには同意していない」とのことでした。 契約当事者はチラシを見て事業者に連絡していますが、保険申請のサポートと修理工事は訪問した後で勧誘されているため、特定商取引法の訪問販売に該当します。事業者には法律で定められた事項を記載した契約書面を交付する義務があり、消費者は書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフができます。当センターで契約書面を確認したところ、契約書面に事業者の住所や電話番号が記載されておらず、解約料についても「保険支給額の30%」と具体的な金額の記載がないため、書面の記載内容に不備があると考えられました。契約当事者が持っていた担当者の名刺に住所と電話番号の記載があったため、クーリング・オフ通知の送付方法を助言し、後日センターから事業者に電話をして、クーリング・ オフにより解約料を支払わずに解約になったことを確認しました。

 

火災保険の申請は保険会社等に相談を

「保険を使って自己負担なく工事ができる」などと説明され、火災保険の申請サポートや修理工事の勧誘をされたとの相談が引き続き寄せられています。サポートサービスや修理を断ると、高額な手数料や違約金を請求されることもあります。また、火災保険の申請サポートのウェブ広告を見て事業者に依頼すると、通信販売に該当しクーリング・オフができないこともあるため、注意が必要です。なお、老朽化による破損なのに、雪害や台風、地震などの自然災害の影響だと言って、うその理由で保険申請することは詐欺に該当するおそれがあります。保険金の支払い対象になるか、保険金がいくらになるかは損害保険会社の判断になるため、必ずしも保険金だけで修理ができるとは限りません。火災保険等の申請については保険会社や代理店に自分で相談しましょう。トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。