ブランド腕時計90万円が4 万円?百貨店の偽サイトだった!

12月掲載)

 

Q1  インターネットで百貨店が閉店セールの広告を出しているのを見た。海外高級ブランドの90万円の腕時計が約4 万円だったため、安いと思い注文したが、注文後にあまりの安さにおかしいと思い百貨店に問い合わせたところ、百貨店をかたった偽サイトと判明した。代引き配達で受け取り予定だが、どうしたら良いか。 (60代 男性)

百貨店の公式サイトには、名称をかたったサイトへの注意喚起が掲載されていました。相談者には、万が一のトラブルに備えて広告の画像のスクリーンショットを撮り保存すること、また、商品が届いた場合には宅配業者に事情を伝えて送付状の写真を撮って保存しておき、受取拒否をするよう助言しました。

 トラブルに遭ったら、早急に最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

無料のはずがやめられず・・・高額な鑑定料をカード決済してしまった

12月掲載)

 

Q1  半年前、占いサイトから、「あなただけ48時間以内は無料」との広告メールが届き、サイトに登録した。無料期間終了後、複数の鑑定士から「大どんでん返しの夢が叶う」「膨大な金運を呼び込んで」等と次々にメールが届くようになり、指定された文字を送信するためクレジットカードでポイントを購入した。その後も、「お金が入って幸福になる。体調も良くなる」等と言われ、体調や仕事に不安があり、幸福になりたいと思ったので鑑定を続けたが、裕福にならず体調も改善しない。クレジットカードで総額11万円を決済したが、だまされたと思うのでキャンセルしてほしい。 (60代 女性) 

インターネットを通じて申し込む場合は特定商取引法に規定する通信販売に該当します。同法では広告規制があり、事業者はサービスの価格や解約の条件などを表示する義務があります。解約等については原則、表示されている条件に従いますが、サイトの内容に問題があるような場合は、解約や返金を求めて事業者と話し合うことになります。

 この事例は、いわゆるサクラサイトと呼ばれる悪質なサイトの可能性が高く、占いや鑑定と称したやり取りを通じて有料のポイントを消費させる手口と考えられました。 高額な利用料をクレジットカードで決済していたことから、センターであっせん交渉を行いました。決済代行会社に連絡し、問題点を指摘したところ、最終的に占いサイトから11万円全額を取り消す旨の提案がありました。相談者がこの提案に応じクレジットカード会社に取り消しが入ったことを確認して、相談を終了しました。

 この事例のように、お金を多く支払っても運が開けたり、幸せになったりすることはありません。不安をあおるようなことを言われてもきっぱりと断りましょう。

 占いサイト以外にも、副業サイトに登録したはずが実態は出会い系サイトで高額料金が発生したとのトラブルも寄せられていますので、十分注意しましょう。

車のバッテリーが上がりネットで検索……作業後に高額な料金を請求された!!

11月掲載)

 

Q1  昨日、自宅に駐車していた車のバッテリーが上がりインターネットで事業者を探した。「バッテリー上がり4千円から。見積もり後キャンセルOK」との広告を見つけて、電話で料金を確認したところ、「行ってみないと分からない」と言われた。まもなく担当者が来たが、料金の説明もなく作業を始めて、作業終了後に基本料金、出張費、電圧テスト、ジャンピングスタート(他の車から電気を一時的に分けてもらいエンジンを始動させる方法)の総額として6万円を請求された。こんなに高いと思わなかったと言ったところ、最終的には値引きして2万円にすると提示されて支払った。事業者から作業後に渡された契約書には、クーリング・オフの記載がある。金額に納得できないが、クーリング・オフは可能か。 (50代 女性)

 

事業者が消費者の自宅を訪れて契約を結んだ場合には、特定商取引法の訪問販売に該当すると考えられますが、消費者が事業者に自宅に来るよう依頼した場合には、訪問販売に該当しないことがあります。

 この事例では、相談者が訪問修理の依頼をしていますが、依頼した時点ではインターネット広告の作業料金程度の契約を想定しており、高額な契約をする意思はなく、作業前に料金や作業内容の説明も受けていませんでした。このような場合には、消費者が事業者に訪問を依頼したとしても、同法の訪問販売に該当すると考えられます。

 訪問販売を行う事業者は、特定商取引法で定められた内容を記載した契約書面を交付する義務があり、消費者は契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。

 当センターで契約書面を確認し、相談者にはクーリング・オフが適用になると考えられることを伝え、クーリング・オフ通知を送付するよう助言しました。その後、相談者から、クーリング・オフ通知が宛所不明で返送されたと報告があり、当センターから事業者に問い合わせたところ、移転していたことが分かりました。契約書面には、実際に営業している住所を記載する必要があるため不備があると考えられましたが、改めて移転先にクーリング・オフ通知を送付してもらい、後日2万円が返金されたことを確認しました。

 

万が一のトラブルに備え対策を

 

全国の消費生活センターには、トイレや水漏れの修理、鍵の修理・交換、害虫の駆除など日常生活でのトラブルに事業者が対処する暮らしのレスキューサービスの相談が寄せられています。 

特に緊急を要するトラブルが発生したときは、急いでインターネット等で事業者を調べることがあり、見積もりをとる時間がない場合もあります。例えば車のトラブルであれば、ロードサービスを行う事業者など、あらかじめ信頼のおける事業者の情報(連絡先やサービス内容、料金体系)を調べておくなどして、万が一に備えましょう。

トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に連絡を。

 

クレジットカードの利用が制限された!?これってフィッシングメール?

10月掲載)

 

Q1  昨日、クレジット会社名で「本人確認のため、カード利用を一部制限した」とメールが届いた。「ご利用確認はこちら」とのボタンがあるが、不審なのでアクセスしていない。このまま無視して大丈夫か。  (50代 女性)

 

クレジットカード会社や通販サイト、携帯電話会社などの実在する企業をかたったメールを送り付け、クレジットカード番号やパスワード、アカウントID などの情報を詐取するフィッシングの手口が多く発生しています。

 フィッシング対策協議会では、この数カ月で「クレジットカードの利用確認を装うフィッシング」の報告が非常に増えていると、注意喚起をしています。また一般社団法人日本クレジット協会でも、本物の企業が送る電子メールの内容に酷似したフィッシングメールに関する注意喚起をしています。

 相談者には、メールに記載されているURL をクリックして、カード番号やパスワードなどのアカウント情報を入力してしまうと、さまざまなサービスにログインされたり、キャッシュレス決済を不正利用されたりする可能性があるので、無視して様子をみるよう助言しました。不審なメールが届いた場合は、事業者の公式サイトなどで、本物かどうかを確認しましょう。

 トラブルに遭ったら、早急に最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

テレビショッピングの説明と違う!ポータブルプレーヤーを返品したい

10月掲載)

 

Q1  1 か月前にテレビショッピングでポータブルDVD プレーヤーを購入し、代引きで13,000円を支払った。CM では「ワンセグでテレビも視聴できて便利」と言っていたが、自宅内ではテレビがほとんど映らなかった。販売店に苦情を伝えて交換してもらったが、やはり映らない。不良品だと思うので、返品したい。 (80代 女性)

 

テレビショッピングなどの通信販売は、特定商取引法で広告規制があり、事業者は商品の価格や送料、支払時期や方法、商品の引き渡し時期、解約・返品の可否や解約の条件(返品特約)などを表示する義務があります。解約や返品に関しては原則、返品特約などの表示に従うことになります。

 当センターで商品の広告を確認したところ、「テレビ視聴にはワンセグアンテナを使用するが、場所によっては受信できない場合がある」と記載されていました。

 自宅内で少しでも受信できる場所があれば、不良品との主張は難しいと思われることを説明しましたが、相談者は納得できないとのことだったため、センターから事業者にその旨を伝えて交渉しました。事業者からは「本来は返品を受けられないが、返送料などを負担してもらえるなら、特別に解約に応じる」と提案があり、相談者が了承しました。

 通信販売にクーリング・オフ制度はありません。使い勝手が悪いなどの理由では解約できない場合が多いので、事前に商品の仕様や注意事項、返品・解約の条件などを確認しましょう。

 

お試しのつもりで購入したのに…定期購入だった電子タバコ

9月掲載)

 

Q1  2週間前にインターネット広告を見て、「お試し価格980円」の電子タバコを注文し、商品が届いた後にコンビニ 後払いで代金を支払った。先日、「2回目の商品を発送する、代金は11,000円」とのメールが届き、定期購入契約であることが わかった。販売店に電話をして解約を申し出たが、「商品を発送したので2回目までは購入してもらう、3回目以降の解約手続きはしておく」と言われた。広告には定期購入であることが表示されていなかったと思うので納得できない。2回目から解約したい。  (40代 男性)

 

インターネットなどを利用して商品を購入する通信販売は、特定商取引法で広告規制があり、事業者は商品の価格や送料、支払時期や方法、商品の引き渡し時期、解約・返品の可否や可能な場合の条件(返品特約)などを表示する義務があります。

解約や返品に関しては原則、返品特約などの表示に従うことになりますが、表示に問題があるような場合は、契約の取消しなどを求めて事業者と話し合うことになります。

当センターで、販売サイトの広告を確認したところ、トップ画面に商品の画像と初回980円であることが大きく、目立つような字で表示されていましたが、定期購入に関する説明はページの下の方に表示されていて、わかりづらいと思われました。

センターから事業者に連絡し、定期購入であることや支払総額の表示がわかりづらいことなどを伝えて交渉したところ、「申込画面等にも定期購入であることをわかりやすく表示しているはずだが、消費者の申し出をふまえて、今回に限り2回目からの解約に応じる、商品の発送は中止する」とのことでした。

 

「詐欺的な定期購入商法」の規制が強化されました

 

今年61日に改正特定商取引法が施行され、事業者には販売サイトの「最終確認画面」で、数量や回数、販売価格や支払総額、支払い時期や方法、商品の引き渡しやサービスの提供時期、契約の解除に関することなどを消費者が簡単に確認できる表示をすることが義務付けられました。

定期購入契約の場合は、各回の数量や価格だけでなく、総分量や支払総額、解約期限がある場合はその旨もわかりやすく表示する必要があります。

事業者がこれらの表示をしていなかったり、消費者を誤認させるような表示をしていたりした場合には、消費者は申し込みの取消しができる可能性があります。

通信販売を利用する際には、定期購入が条件になっていないか、支払い総額や商品の引き渡し時期の表示があるか、解約や返品ができるか、利用規約の内容に問題はないかなどをよく確認し、広告や最終確認画面をスクリーンショットなどで保存しておきましょう。

トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に連絡を。

 

タンスの買い取りだけ依頼したのに…強引にミシンを買い取られた

8月掲載)

 

Q1  5 日前に事業者から「何でも買い取る。タンスを見せて」と電話があり承諾すると、すぐに家に来た。事業者はタンスは買い取れないと言って、勝手に2 階に上がりミシンを持ってきた。ミシンは売らないと言ったが聞き入れてくれず、書面と5 千円を置いて帰った。その日のうちに解約したいと事業者に電話をすると、返品を求める書面が必要と言われたので送ったが、本当に返品されるか心配だ。玄関には訪問お断りステッカーを貼っている。( 90代 女性)

 

 特定商取引法では、事業者が消費者の自宅を訪問して物品を買い取る取引を訪問購入として規制しています。訪問購入では、勧誘に先立ち事業者名、勧誘の目的、買い取る物品の種類を明らかにする必要があり、来訪した際に事前に依頼していない物品を買い取ることは禁止されています(不招請勧誘の禁止)。事業者は同法で定められた書面を渡さなければならず、消費者は書面を受け取ってから8 日間はクーリング・オフができます。また、北海道消費生活条例では、「訪問お断り」など勧誘を受けたくない旨の意思表示を住居に貼付している場合には勧誘をしてはならないとされています。

 当センターから事業者に連絡を取り、事前に依頼していないミシンを買い取った不招請勧誘等について指摘しましたが「営業員が他の商品の買い取りを勧誘するのは問題ない。

ミシンの買い取りは本人の希望だ。クーリング・オフには応じるのでこれ以上センターと話すことはない」等と主張しました。

 その後、事業者がクーリング・オフに応じてミシンの返品を確認できたため、相談を終了しました。

 トラブルに遭ったら、早急に最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

マッチングアプリで親しくなった外国人…国際ロマンス詐欺にご注意を!

8月掲載)

 

Q1  マッチングアプリで外国人を名乗る人と親しくなった。勧められた別のアプリでやり取りしていたところ、「米国の特殊部隊任務だが休暇で日本に行く。日本への荷物の送料として電子ギフトカード4 万円分が必要なので立て替えて」と言われた。海外の運送会社のSNS への登録と免許証の写真の送信も頼まれた。運送会社からは電子ギフトカードの番号を写真で送るよう連絡がきたが、怪しくないか。 (30代 男性)

 

この事例はいわゆる国際ロマンス詐欺と考えられます。出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会った人から投資を持ち掛けられたり、何らかの名目で送金させられたりするような手口です。 相談者には、電子ギフトカードは購入せず、相手方とのやり取りをスクリーンショットなどで保存して、連絡を受けても無視をするよう助言し、警察への相談も案内しました。 国民生活センターは、急増しているロマンス投資詐欺は事業者の実態がつかめず被害回復は困難として注意を呼びかけています。

 

老後資金対策でマンション投資…20代で高額な投資は必要?

7月掲載)

 

Q1  2週間前に「退職後の老後資金対策にマンション投資をしないか」と電話があり、断りきれず話を聞くことにした。翌日、オンライン会議システムを使ってマンション室内の映像を見せられながら「購入すれば節税効果もある。契約から3年間は入居者がいなくても家賃収入がある。赤字にならず入居者は99%確保できる。35年ローンを組めばよい」としつこく勧められ、ローンを組むことにした。5日前に、事業者が遠方から勤務先に来て、マンションの売買契約書と約2,500万円のローン契約書に署名した。書面は事業者が持ち帰り、控えはもらっていない。4日前、高額で支払いが不安なのでクーリング・オフを申し出たが、「現地で契約したのでできない」と、断られた。どうしたらよいか。( 20代 男性)

 

宅地建物取引業者とマンションの購入契約を締結した場合は宅地建物取引業法(宅建業法)が適用され、事業者には、重要事項説明書を交付して説明する義務や契約書の交付義務があります。また、勧誘等の際に、確実に利益が生じる等の断定的判断を提供してはならないとの定めもあります。

 同法では、売主が宅地建物取引業者で、売主の事務所等以外の場所で売買契約等を行った場合、消費者はクーリング・オフについて記載された書面を渡されて告知を受けてから8日間はクーリング・オフができるとされています。

 相談者には、電話での勧誘をきっかけに事業者が相談者の勤務先を訪れてマンションの売買契約を締結しているため、クーリング・オフは可能であることを説明し、クーリング・オフ通知を送るよう助言しました。その後、センターから事業者に連絡し、書面が交付されていないことと勧誘方法に問題があることを指摘したところ「クーリング・オフについて記載された書面は必ず渡すように営業担当者に指導している。渡していなければ問題であり、クーリング・オフを受ける」と回答があり、相談を終了しました。

 

返済困難になるなどのリスクも…

 

全国の消費生活センターには、マンションを購入すると家賃収入や売却益を得られる等の投資マンションに関する相談が寄せられています。特に20 歳代からの相談が増加しており「しつこく勧誘されて怖くて契約をしてしまった」「家賃保証があると勧誘されたが修繕費や固定資産税が発生し赤字になる」といった相談も寄せられています。また、収入に合わない高額なローンを組み、返済困難になるケースもあります。マンションへの投資にはリスクがあり、必ず儲かるわけではありませんので、十分注意が必要です。

 宅地建物取引業者から悪質な勧誘を受けた場合は、事業者に免許を与えている都道府県等に情報提供をしましょう。脅されたような場合には、すぐに警察に通報しましょう。 トラブルに遭ったら、早急に最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

パソコンに警告画面 電子マネーの購入を指示されたが…

6月掲載)

 

Q1  昨日、パソコンにウイルス感染したと警告が表示され、慌てて表示された連絡先に電話をしたら、「遠隔操作で直す、プリペイド式電子マネーをコンビニで購入し3 万円支払うように」と指示された。コンビニに行くまで電話を切らないようにと言われたが、不審に思い、途中で電話を切った。その後、相手から連絡は来ていないし、パソコンに不具合もないようだが、どうしたら良いか。 (40代 女性)

 パソコンを利用中に突然出る警告画面や警告音は偽物の可能性があること、消費者の不安をあおって有償サポートなどの契約を迫る場合があることなどを相談者に説明し、事業者から連絡があっても無視して様子を見るよう助言しました。

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の情報セキュリティ安心相談窓口ではこのような手口や対策について情報提供を行っています。詳しくはホームページまたは二次元コードを参照してください。最近は電子マネーでの支払いを求めるケースが増えていますが、一度支払ってしまうと返金を求めるのは困難なことがほとんどです。パソコンにはあらかじめ信頼できるセキュリティソフトをインストールしておくなどの対策をしましょう。

 

検針票の情報を教えたけれど…電気の切り替えで安くなる!?

6月掲載)

 

Q1  2 日前に「電話料金の収納代行業者と提携しているので、電気料金が安くなる。検針票を用意してほしい」と電話があった。電気の検針票に記載されている供給地点特定番号などを伝えると、「今より千円は安くなる」と言われたので申込みをした。電力会社を変更するのは不安なので、解約したい。 (50代 女性)

 特定商取引法では、事業者が電話で商品やサービスの勧誘を行う場合、勧誘前に事業者名や販売目的を告げることが義務付けられています。また、事業者には法律で定められた事項を記載した契約書面の交付を義務付けており、消費者は書面を受け取ってから8 日間は、クーリング・オフができます。

 

 相談者には、勧誘時に事業者名を名乗っていないことや、電気代が安くなるとだけ言って販売目的を告げていないのは勧誘方法に問題があることを説明しました。また、クーリング・オフが可能であることと書面の記載方法を伝え、契約書面はまだ届いていなかったため、まずは電話をしてみるよう助言しました。

 

 電気の勧誘では、検針票に記載されている顧客番号や供給地点特定番号などの個人情報を事業者に伝えてしまうと勝手に切り替えられる場合がありますので、安易に教えないようにしましょう。勧誘されたら、料金プランや算定方法などを確認し、現在の料金と比較して慎重に検討しましょう。

 トラブルに遭ったら、早急に最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

体験だけのつもりが…高額な痩身エステ代、払えない

5月掲載)

 

Q1  7カ月前、お試しクーポンで痩身エステを利用した後、体形に合わせたコースを勧められた。支払いが不安と伝えたが、「10回分のエステやマッサージ用クリームをサービスする。ローンで支払えば大丈夫」などと言われ、断り切れずに申し込んだ。55万円のローンの申込書には審査が通りやすいよう、実際のアルバイト収入額より多く書くよう指示された。2カ月前に「むくみを取るコースも一緒に受けると効果が出る、サプリメントもサービスする」と勧められ、さらに23万円のローン契約をした。総額78万円のローンで、毎月の支払いは3万円。学生で支払えないため解約したい。 (20代 女性)

A 特定商取引法は、契約金額が5万円を超え、サービス提供期間が1カ月を超えるエステ契約について、特定継続的役務提供として規制しています。事業者には、契約締結までにサービス内容や料金等を記載した概要書面、契約締結後は速やかに契約書面を交付する義務があります。

 一方、消費者は契約書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフができます。クーリング・オフ期間経過後も、利用済みのサービス料金と一定額以内の違約金を支払えば中途解約が可能です。エステの効果を高めるために必要と言われて契約したサプリメント等は、関連商品として解約の対象となります。

 今回のローンのような契約を規制する割賦販売法では、信販会社が過剰な与信を行うことを禁止しています。

 当センターで契約書面等を確認したところ、サービスと言われたクリームやサプリメントは分割払いの金額に含まれていました。

信販会社に確認したところ、申込書の収入欄には本人の申し出より100万円ほど多い金額が申告されていたことがわかりました。

 相談者に、エステ店が収入の虚偽申告を指示していること、支払い困難になるような契約をさせたことは問題があると説明し、契約の経緯をまとめた書面をエステ店と信販会社に送るように助言しました。センターがエステ店と交渉しましたが、「年収を多く記載するよう指示していない。中途解約の規定に従って精算する」と主張しました。重ねて問題

点を伝えたところ、既に支払った9万円以外に請求しない条件で解約に合意しました。

 

パーソナルジムでも…契約は慎重に

ほかにも、「月額7,000円とのSNS 広告を見てパーソナルジムに行ったら、月額は月会費ではなくローン1カ月分の支払額で、総額100万円近いコースを勧められた、ローンの申込書に年収を多く書けば大丈夫と言われた」といった相談も寄せられています。

 エステやジムなどの契約は長期間にわたることがあり、事情が変わって通えなくなったり、サービス終了後も支払いが続いたりする場合があります。概要書面などで利用期間や中途解約の条件、総額や支払回数をしっかり確認しましょう。信販会社から契約に関する確認電話があったら勧誘状況などを正しく伝えましょう。トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に連絡を。

 

通販サイトで買ったズボンが偽物 販売店が対応してくれない

4月掲載)

 

Q1  SNS広告にアウトドアブランドのズボンが1本8,000円、2本目は無料と出ていたので、1カ月前に注文した。代引配達で商品が届いたが、2本とも偽物だった。メールで販売店に苦情を伝えたが、対応してもらえない。(50代 男性)

A  インターネット等を利用して商品を購入する通信販売は、特定商取引法で広告規制があり、事業者の名称、所在地、連絡の取れる電話番号などを表示するよう求められています。

 販売店の連絡先はわかりませんでしたが、荷物の送り状の依頼主欄に記載されていた発送代行業者にセンターから連絡して、相談者の申し出内容を伝えたところ、現金書留で返金する、商品は着払いで返送してほしいと提案がありました。

 全国の消費生活センターには、SNS等の広告から誘導され、商品を注文したが届かない、偽物が届いたといった相談が多く寄せられています。

 最近の偽サイトは、有名ブランドのロゴを盗用しているなど、一見しただけでは偽サイトと気付くことは困難です。注文する前にサイトの運営業者の情報などをよく確認しましょう。

 

火災保険で屋根工事 不安なので工事をやめたい

4月掲載)

 

Q1  3カ月前に来訪した事業者から「火災保険で家を直せる、手続きはすべて当社で行う」と勧誘されて、屋根工事を依頼することになり、見積書を渡された。保険の手続きを進めていたところ、保険会社から悪質業者による代理申請で高額な手数料を請求されるトラブルが増えているので、注意するよう言われた。不安なので工事をやめたい。(60代 女性)

A  訪問販売で住宅修理や保険の代理申請サービスを契約した場合は、特定商取引法が適用されるため、法律で定められた事項を記載した書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフができます。

 契約書面がまだ交付されていなかったため、クーリング・オフが可能と考えられることを相談者に説明しました。具体的な工事日や内容も決まっていないため、まずは相談者から工事等を断る旨を連絡してみるよう助言したところ、事業者が了承したと報告がありました。

 大雪や地震などの自然災害の後に、火災保険を利用した住宅修理を勧誘する事業者とのトラブルが多くなります。火災保険は契約者自身が保険会社に連絡すれば、手数料を支払わずに申請ができます。なお、劣化による損害等は給付の対象にならない場合もあります。

 勧誘されてもすぐに契約せず、自分が加入している保険会社に直接相談するようにしましょう。

 

980円だと思ったら5万円の定期購入?!未成年で支払えないので解約したい

3月掲載)

 

Q1   無料動画サイトの広告を見て980円の除毛クリームをネット注文し、支払はコンビニの後払い決済を選んだ。1回限りの注文のつもりだったが、販売店の口コミを見て定期購入だと気付いた。2回目からは12,000円で、最低5回の受け取りが条件となっており、支払総額は約5万円と分かった。初回分の980円なら支払えるが、未成年のため5回分は高すぎて支払えないので解約したい。 (10代 男性)

A   インターネットなどを利用して商品を購入する通信販売は、特定商取引法で広告規制があり、商品の価格や送料、支払時期と方法、商品の引き渡し時期、返品の可否や返品できる場合の条件などを消費者にわかりやすく表示するよう求められています。また、定期購入契約の場合は、申し込み画面や確認画面に定期購入である旨や、商品の引き渡し回数、1回当たりの商品代金や総額等の条件を記載しなければなりません。

 一方、民法では、未成年者が親権者等の法定代理人の同意を得ずに申し込んだ契約は原則、取り消すことができます。ただし、成年であると偽って申し込んだ場合などは取り消しは認められません。

 当センターから販売店に連絡し、本人は1回限りの注文と思っていたこと、親の同意を得ずに申し込みしたので未成年者契約の取り消しを求めたいことを伝えました。販売店は「商品や契約の内容は申し込み画面にわかりやすく記載している。また、契約内容に関するチェック項目を設けている」と主張しました。ただし、相談者が未成年者であることを踏まえて、「特別に2回目以降の解約を受け付けるが、初回分はすでに送っているので980円を支払ってほしい」と提案がありました。相談者が初回分だけなら支払えるとのことで提案を了承しました。

 

4月から成年年齢が18歳に!

今年の4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられるため、18歳、19歳の契約はこれまでのように未成年者契約として取り消しを主張できなくなります。

 また、悪質な事業者は、未成年者を勧誘しても、契約を取り消される可能性があるため、成年になったばかりの若者を言葉巧みに勧誘し、強引に契約を結ばせようとします。このため、20代前半では定期購入などの通信販売やマルチ商法、情報商材や投資関連などのトラブルが増加する傾向にあります。

 成年年齢が引き下げられると、より一層、若者の消費者被害が増えるおそれがあります。トラブルに遭わないために、契約に関するさまざまなルールを知った上で、本当に必要な契約か、慎重に検討することが大切です。

 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

電子マネーで当選金詐欺に…支払った20万円を返金してほしい

2月掲載)

 

Q1   スマートフォンに「高額当選しました。受け取り手続きをしてください」とメールが届き、相手に連絡したら、コンビニでプリペイド型電子マネーを購入するよう指示された。「あなたが受け取らないと他の人にも迷惑がかかる」などと言われ、合計20万円以上支払ったが、当選金は受け取れなかった。警察に相談したら詐欺だと言われた。返金してほしい。 (60代 男性)

A   プリペイド型電子マネーは資金決済法で規制されており、原則、払い戻しが認められていませんが、発行者の判断により例外的に払い戻しされる場合があります。

 センターから電子マネー発行会社に連絡したところ、やり取りした相手の連絡先はわかりませんでしたが、決済代行会社が介在していることがわかりました。決済代行会社に連絡し、取引内容に問題があると考えられること、警察にも相談していることなどを伝え交渉したところ、14万円を返金するとの提案があり、相談者と合意しました。

 このほかにも「遺産の分配金がもらえる」「支援金を渡したい」などとメールやSMS(ショートメッセージサービス)が届き、金銭を請求されたり、個人情報を聞き出されたりしたとの相談も寄せられています。都合の良い儲け話はありません。そのようなメール等が届いても無視しましょう。

 

引越しでテレビが壊れた 弁償額に納得できない

2月掲載)

 

Q1  昨日、引っ越しをした後で、テレビの電源が入らないことに気付いた。引越業者から「弁償するが、同等の中古品か現金 1 万円での補償になる」と言われ、納得できない。(40代 男性)

A  運送業者は、国土交通省が定めた「標準引越運送約款」に基づくルールにより引っ越しを行います。事業者が荷物を破損・紛失させたり、家屋等に傷を付けたりした場合は、見積時に渡された約款に基づき、引っ越しから 3 カ月以内であれば補償を求めることができます。その場合、修理が原則ですが、修理できない場合は購入時からの経過期間をもとに賠償額を算出するのが一般的です。

 この事例もテレビの購入時から年数が経過していたため、相談者には時価での補償になると考えられることを説明し、事業者と話し合ってみるよう助言しました。

 引っ越しをめぐっては、電話のみの見積や一括見積サイトで事業者を選び、トラブルになるケースが増えています。このため、事業者を選ぶ際は、直接訪問をしてもらった上で見積を出してもらい、信頼できる事業者を選ぶようにしましょう。また、公益社団法人全日本トラック協会の情報を参考にしたり、同協会が認定する「引越安心マーク」の事業者を利用するのも一つの方法です。 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談しましょう。

 

光回線をアナログ回線に戻すはずが…説明されていないサポート契約も

1月掲載)

 

Q1 10日ほど前、「モデムはついているか。モデムを外して光回線をアナログ回線に戻せば電話代金が安くなる。キャンペーン中なのでキャッシュバックもある」と電話で勧誘を受けた。インターネットを利用しておらず、光回線をやめても良いと思ったので、アナログ回線に戻すことを承諾した。今日、事業者から届いた書面を見ると、アナログ戻し手続き代行料として約4万円の他に、機器補償サービスと電話安心サポートがそれぞれ月額900円と書かれていた。しかし、これらのサービスと代金については説明されておらず、納得できない。書面にクーリング・オフの記載があるが、クーリング・オフはできるか。 (60代 女性)

A  特定商取引法(特商法)では、事業者が電話で商品やサービスの勧誘を行う場合、勧誘前に事業者名や販売目的を告げることが義務付けられています。同法では、事業者には法律で定められた事項を記載した契約書面の交付が義務づけられており、消費者は書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフができます。また、北海道消費生活条例では、事業者が料金や契約内容などに関する重要な情報を消費者に伝えず勧誘することを禁止しています。

 相談者には、特商法の電話勧誘販売に該当するため、クーリング・オフが可能であることと、クーリング・オフ通知の方法について説明しました。また、センターから事業者に連絡を取り、勧誘時にサービス内容や料金についての説明が不足していたこと、今後の勧誘は断るとの相談者の意向を伝えました。事業者からは「クーリング・オフ通知はまだ確認していないが速やかに処理する」との回答があり、相談者にはその旨を伝えて終了となりました。

 

アナログ戻しは自分で手続きが可能!

 光回線の利用者がアナログ回線への移行(以下、アナログ戻し)を勧められ高額な手数料を請求されたとの相談が寄せられています。その際、知らないうちに、アナログ戻しには必要がないサポート契約を結んでいることもあり、国民生活センターや総務省でも注意喚起をしています。

 光回線をアナログ回線に移行する手続きは、第三者に依頼する必要はなく、自分で簡単にNTT 東日本/西日本に申し込むことができます。費用や条件等は 「116 」 に問い合わせるか、各社ホームページを確認しましょう。

 なお、アナログ戻しを行う際は、現在契約中の回線事業者等の解約手続きが必要な場合もありますので、直接問い合わせて確認しましょう。また、アナログ戻しの勧誘を受けた場合は、必要がなければきっぱりと断りましょう。

 

 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。