質問サイトで月額会員に 登録した覚えがないので解約したい

12月掲載)

 

Q1 1 週間ほど前に、1 回の質問について500円で専門家が回答すると書いてある質問サイトを見つけた。クレジットカード情報を入力して会員登録し、パソコンについて質問し、回答を受け取った。その後、契約内容を確認したら、1 カ月4,500円の月額会員になっていることに気付いた。月額会員に登録した覚えがないので解約したい。(50代 男性)

A  センターで質問サイトの利用規約を確認したところ、定額払い料金は30日間以内であれば返金を要求することができると記載がありました。また、会員契約の解約は24時間いつでもサイトにログインして手続き可能と記載があったものの、相談者はログインに必要な情報(アカウント)を忘れてしまっていたため、質問サイトの電話番号を相談者に伝え、直接解約を申し出るよう助言しました。

 

 また、相談者は気付かずにサブスクリプション※(以下、サブスク)の契約をしていました。サブスクはお試し期間として無料もしくは安価で一定期間利用することができる場合があります。その場合、多くは期間中に解約しなければ有料定額プランに移行し、1 カ月、1 年などの単位で料金が発生します。また多くの場合、一度契約すると解約しない限り自動的に支払が継続することになります。クレジットカードやキャリア決済の請求明細は毎月確認しましょう。

 

※定められた金額を定期的に支払うことにより、継続的に商品やサービスの提供を受けることができるサービス

 

クリーニングでワンピースが色落ち 賠償でクリーニング代は返してくれる?

12月掲載)

 

Q1 ワンピースをクリーニングに出したら、色落ちしていた。苦情を伝えると弁償すると回答されたが、その場合、クリーニング品のワンピースとクリーニング代は返してもらえるか。(50代 女性)

A  クリーニング事故があった場合、一般的には全国クリーニング生活衛生同業組合連合会が作成した「クリーニング事故賠償基準」に則って賠償額が提示されます。賠償額は、同じ品質のものを事故発生時に購入する場合の価格をもとに、購入してからの月数などを考慮して算定されます。賠償金を受け取った場合、その品物の所有権は消費者から事業者に移るため、原則返却されません。返却を希望する場合、店側と話し合うことになりますが、一般的には返却されると賠償額が減額されます。

 

 なお、事故の原因がクリーニング店にある場合は、クリーニング代金の請求を放棄することとされているため、代金は返金されることになります。 クリーニングを利用する際は、受け取ってすぐ傷や色落ちがないか確認しましょう。

 

 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談しましょう。

 

訪問販売で勧誘された布団乾燥シート 断りきれずに契約したので解約したい

11月掲載)

 

Q1 3日前に「以前買ってもらった布団のことで話がある」と事業者が訪問してきたので、家にあげてしまった。布団乾燥シートを使った方が良いと勧誘され、断りきれずに契約した。代金8万円は事業者に銀行に連れていかれ、現金で支払った。覚えのない事業者だったし、高いと思うので解約したい。玄関には「訪問販売お断りステッカー」を貼っているが、他の事業者も訪問してくるので困っている。 (80代 女性)

A  訪問販売による契約は、特定商取引法(特商法)で規制されており、事業者は勧誘に先立って事業者名や販売目的を告げること、同法で定められた内容を記載した契約書面を交付する義務があります。消費者は書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフすることができます。また、特商法や北海道消費生活条例(道条例)では、断っている人へ勧誘を継続すること(再勧誘)や、後日あらためて勧誘することを禁止しています。

 相談者に確認したところ、訪問時に事業者名や布団乾燥シートの勧誘であることを告げられた覚えはないとのことでした。また、契約書面を確認すると商品単価や支払回数などが記載されておらず、書面に不備があると考えられました。

 相談者には契約してから4日目のため、クーリング・オフ書面の書き方を説明し、証拠が残るようにコピーを取り、簡易書留等で事業者に通知するよう助言しました。 センターから事業者に連絡し、勧誘方法などに問題があること、「訪問販売お断りステッカー」を貼っている家への訪問は道条例で禁止されていることを指摘した上で、クーリング・オフすることと、今後の勧誘を断る旨を伝えました。事業者は道条例を知らずに勧誘し、訪問時に勧誘目的であると告げたかどうかは覚えていないとのことでした。

 返品などの方法を確認し、相談者が商品を着払いで送り、事業者から現金書留で返金されたことを確認して相談を終了しました。

 

・訪問販売お断りステッカー活用を

訪問販売に関しては、布団や健康食品等の購入を勧誘され、契約してしまったとの相談のほか、最近は、光回線や小売電力の勧誘を受けたとの相談も増えています。 道条例では、「訪問販売お断りステッカー」を勧誘拒絶の意思表示とみなし、ステッカーを貼っている家に訪問して取引することを禁止していますので、ステッカーを玄関ドアなどに貼るなどの対策を講じましょう。 また、不要な契約はきっぱりと断り、トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

アダルトサイトで45万円の請求!?登録したつもりはないのに…

10月掲載)

 

Q1 スマートフォンからアダルトサイトにアクセスし、「20歳以上」と書かれたボタンを押したところ、会員登録された。会員登録するつもりはなかったので、サイトに表示されていた電話番号に電話すると、「登録されている。本日の支払いであれば35万円、明日になると45万円になる。料金は画面の上下に書いている」と言われたが、料金を見た覚えはない。支払う必要はあるのか。(50代 男性)

A  民法では、契約当事者の間で申し込みの意思とそれに対する承諾の意思が合致すると契約が成立するとされています。しかし、この事例では、相談者はアダルトサイトの会員登録を申し込む意思がなく、年齢確認のボタンを押しただけであれば契約は成立していないと考えられます。仮に事業者から契約は成立していると主張された場合でも、電子消費者契約法では、事業者が申し込み内容等の意思確認をするための適切な措置を講じていなければ、原則として錯誤による取消しが可能となります。

 

 相談者にはこれらの説明をした上で、事業者に連絡を取らないで、請求には応じず無視をするよう伝えました。このようなサイトでは、消費者の不安をあおり慌てさせて事業者に連絡するよう誘導する手口がみられますので、十分注意しましょう。

 

身に覚えのないサプリメントの請求が…

10月掲載)

 

Q1 先月、高齢の父宛にサプリメント代金の請求書が届いたが、父は申し込みをした覚えがないので無視していた。今日、同じ事業者からサプリと請求書が届いた。どうしたらよいか。(40代 女性)

A  相談者の父にセンターからも確認すると、申し込みした覚えはないとのことでした。センターから事業者に問い合わせると、インターネットからの申し込みで、名前の読み仮名、年齢、電話番号が本人とは異なる情報で登録されていました。また、事業者は「先月はサプリをポストに投函したとの配達履歴がある。2 回分のサプリを返品すれば2 回分の請求を取り下げる」と主張しました。

 

 あらためて本人に確認すると、サプリは今日初めて届き、インターネットは利用しておらず、自宅の郵便受けには鍵がついていないことがわかりました。センターから事業者に、本人は注文しておらず、第三者により勝手に名義を使われた名義冒用の可能性があると伝えたところ、事業者は2 回分の請求の取り下げに応じて、手元にあるサプリは着払いで返品することになりました。

 

 特定商取引法が改正されて、令和3 年7 月6 日以降に事業者から一方的に送り付けられた商品は直ちに処分できることになりました。しかし、この事例のように名義冒用が疑われる場合もあり、無視すると商品と請求書の送付が続くことも考えられます。身に覚えがない商品や請求書が届いた場合には、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談しましょう。

 

転売ビジネスの情報商材を契約 強引に勧誘されたので解約したい

9月掲載)

 

Q1 20日前に動画サイトで「ネットで簡単に儲かる副業」との広告を見て、公式サイトで個人情報などを登録した。オンライン会議ツールを使って「中国から商品を輸入してフリマアプリで転売するビジネス」についてのセミナーがあり、その後、担当者から詳しいやり方や料金の説明があった。「家族と相談したい」と伝えたが、「サービス価格なのですぐ決めてほしい、頑張った分だけ成果が出る」などと5時間にわたりしつこく勧誘され、深夜2時になっていたこともあり、断り切れず契約した。契約書面は電子メールで送られてきて、代金40万円はクレジットカード一括払いにした。しかし転売のやり方は、フリマアプリの規約に抵触する内容だと思うし、難しくて儲かるとは思えないので解約したい。(30代 男性)

A  インターネットの通信販売等で副業や投資等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売されている情報のことを「情報商材」といいます。広告等をきっかけに簡単に収入が得られると信じて契約したものの、広告や説明と違って収入が得られないという相談が全国の消費生活センターに多数寄せられています。

 この事例のように、オンライン会議ツールを使って勧誘を受けて契約した場合は、特定商取引法の電話勧誘販売に該当すると考えられます。この場合、事業者は法律で定められた内容を記載した書面を交付する義務があり、消費者は書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフ(無条件解約)ができます。なお、契約書面の交付方法として電子メールでの送信は現在は法律上認められていません。

 

 相談者には、事業者が確実に収入が得られるような説明をしたり、長時間にわたり執拗に勧誘していることは問題があると考えられることを伝えました。また、法律で認められた方法で契約書面を渡していないことから書面不交付と考えられるため、クーリング・オフ通知を送付するよう助言するとともに、クレジットカード会社にも契約の経緯をまとめ

た書面等を送付するよう伝えました。

 センターから事業者に連絡し、クーリング・オフをすること、勧誘方法に問題があることなどを伝えたところ、全面解約に応じると回答がありました。クレジットカード会社にその旨を連絡し、相談を終了しました。

 

・簡単に儲かる話はありません!

 今回の事例のような「転売ビジネス」をめぐるトラブルや、「アフィリエイト(成果報酬型)の情報商材の契約をしたが、事業者と連絡が取れない」「SNS で知り合った人に勧められて暗号資産(仮想通貨)の投資をしたが返金してほしい」などのトラブルが相次いでいます。事業者の言うとおりにすれば簡単にお金が稼げるなどという話はあり得ません。契約する前に十分注意しましょう。

トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

ペットショップで購入した猫が先天性の病気 治療費を負担してほしい

8月掲載)

 

Q1 2 カ月前にペットショップで20万円の猫を購入。猫風邪をひいているので1 週間後に引き渡すと言われた。その後も体調が優れず、動物病院を受診すると先天性の病気で重篤な症状になる可能性があり、治療に100万円以上かかると獣医師から説明された。ペットショップに治療費を負担してほしい。(30代 男性)

A  「動物の愛護及び管理に関する法律」では、販売業者はあらかじめ、動物を購入しようとする者に対して、動物を直接見せて病歴やワクチンの接種状況、適切な飼養方法などについて文書等を用いて対面で説明することが義務付けられています。

 引き渡し前に罹患していた場合や、先天性の重篤な疾患であれば、契約の内容に適合しない(契約不適合)と考えられ、治療費の負担や解約返金を求めることは可能と考えられますが、契約書に治療費の上限や動物病院の指定など、特別な定め(特約)がある場合は、その特約に従うことになります。

 相談者には、契約書を確認した上で獣医師の診断により引き渡し前にすでに病気だったことをペットショップに伝え、今後の治療費について話し合うよう助言しました。また、補償を求められる範囲等については、法律相談で見解を確認するよう伝えました。

 ペットは命ある生き物です。契約前に健康状態などをよく確認し、心配な点があれば納得できる説明を求めましょう。

 

小学生の息子が勝手にゲームで課金 20万円の請求を取り消してほしい

8月掲載)

 

Q1 クレジットカードの請求明細書に、ゲーム配信会社名で20万円の請求があり、小学生の息子に確認すると、ゲーム機で有料アイテムを何度も購入していたことがわかった。以前、アイテムを買ってあげたときに入力した私のカード番号とセキュリティコードを覚えていたようで、親に無断で購入していた。私も息子も反省しているので、請求を取り消してほしい。(40代 女性)

A 民法では、未成年者が親権者等の法定代理人の同意を得ずに申し込んだ契約は、原則取り消すことができます。ただし、成年であると偽って申し込んだ場合などは取り消しは認められません。

 当センターからゲーム配信会社に連絡し、親が承諾していないので未成年者契約の取り消しを求めました。配信会社から今回に限り取り消しに応じるが、条件として、カード会社にいったん料金を支払ってから、書面による手続と遠隔操作によるゲームデータの削除が必要と回答がありました。

 相談者が配信会社の回答に応諾し、手続きを行いました。後日、相談者から支払った20万円が口座に返金されたと報告があり相談を終了しました。

 子どもにゲーム機やスマートフォンでゲームを利用させる場合は使い方のルールを親子で話し合った上で、プレイ時間や有料アイテムの購入に制限をかけることができるペアレンタルコントロールを活用しましょう。また、クレジットカードはカード名義人に管理義務があるため、カード番号等が容易に知られることがないよう慎重に扱いましょう。

 

認知症の叔父が新聞購読契約 解約したいのに販売店が応じてくれない

7月掲載)

 

Q1 独居の叔父を訪ねると、新聞が3紙も配達されていたので、事情を聞いたところ、2紙は長年購読しているものだが、1紙は訪問販売で契約したとのことだった。契約書は見当たらず、「ご挨拶」と書かれた書面には契約日が今から7カ月前、契約期間が契約日の翌月から1年間、朝刊のみと記載されていたが、夕刊も配達されていた。叔父は数年前から物忘れがひどく、判断力が低下しており、契約した月に認知症と診断されている。叔父が「解約したい」と言うので、私が販売店に連絡したところ「1年契約のため途中解約はできない。夕刊は本人からの申し出で配達している」と言われたが解約できないだろうか。(60代 女性)

A 新聞公正取引協議会と日本新聞協会が策定した新聞購読契約に関するガイドラインでは、「相手方の判断力が不足している状態(認知症など)で契約したとき」は、不適切な契約として解約に応じるべきと定めています。

 

契約当事者の叔父に話を聞いたところ、「昨年、販売店の担当者がきて、契約してほしいと凄まれたが契約書は書いていない」とのことで、詳しいことは覚えていませんでした。

 センターから販売店に連絡し、当事者が解約を希望していることを伝え、ガイドラインに則った対応をしてほしいと伝えたところ、販売店は即答せず「適正な対応を検討する」と回答しました。

 後日、販売店から「集金員に確認したところ、当事者は認知症ではないかと昨年から気づいていたことがわかったので、解約に応じ、明日から新聞を止める」と連絡があり、相談者にその旨を伝え相談を終了しました。

 

・訪問販売による契約は慎重に

新聞購読の契約をめぐっては、「販売員に6カ月実質無料、米10`と洗剤をプレゼントすると強引に勧誘された」、「未成年者が断りきれずに契約してしまった」などの相談が寄せられています。

訪問販売による新聞購読の契約は、特定商取引法が適用されるため、法律で定められた事項を記載した書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフできます。

 また、新聞購読契約に関するガイドラインでは、「未成年者との契約であったとき」「新聞公正競争規約の上限を超える景品類の提供など、同規約に沿わない販売方法を行ったとき」なども販売店は解約に応じるべきと定めています。

 なお、来年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、1819歳でも親権者の同意なしに契約などができる半面、未成年者取消権が認められなくなります。訪問販売で勧誘された際には、本当に必要なものか慎重に検討して判断しましょう。

 

 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

TV局から新型コロナワクチンアンケート?個人情報を教えてしまった…

6月掲載)

 

Q1 今日、テレビ局と番組名を名乗る電話があり、「60代から90代の人に新型コロナのワクチン接種を希望するかどうかのアンケートを取りたい」と言われたので、年齢と氏名、住所、一人暮らしであることを伝えてしまった。電話を切ってから詐欺かもしれないと思ったが、どうしたらいいか。(80代 女性)

A 当該テレビ局のホームページを確認すると、テレビ局ではこうした調査を一切実施していないこと、同様の通報が多数寄せられていることなどが記載されていました。その旨を相談者に説明し、念のため、警察に相談してはどうかと助言しました。

 

全国の消費生活センターには、新型コロナウイルスに関連した相談が多く寄せられています。最近は、ワクチン接種が開始されたことにともない、不審な電話が来たといった相談も寄せられており、消費者庁は、ワクチン接種のために必要だと言って金銭や個人情報をだまし取ろうとする電話やメールへの注意を呼びかけています。

 

 ワクチン接種は医療従事者の先行接種に始まり高齢者、基礎疾患のある人、一般の順に接種が進められる予定で、すべて無料で行われます。行政機関等がワクチン接種のために金銭や個人情報を電話やメールで求めることはありません。

 

大手電話会社を名乗り光回線勧誘 ネットは使わないのに…

6月掲載)

 

Q1 大手電話会社を名乗る電話で、「アナログ回線から光回線に切り替えないか。今なら無料だが、将来的には工事費が3 万円かかる」と説明された。今の電話に問題はなく、ネットも利用しないと伝えたが、「後でまた電話をするから考えておくように」と言われた。切り替える必要はあるだろうか。(80代 男性)

A 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)及び西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は2024年1 月以降、固定電話網をインターネット通信に利用されているIP網へ切り替えるとしています。ただし、NTT局内設備の切り替えのため、固定電話を継続利用する場合、利用者側の手続や回線工事は不要で、利用中の電話機等はそのまま利用できると説明しています。 また、光回線などの電気通信サービスの勧誘には、電気通信事業法の消費者保護ルールが適用され、事業者は契約前に事業者の名称や料金、提供条件等を説明しなければならず、契約が成立したときは、契約内容を明らかにした書面を速やかに交付する義務があります。

 

 相談者には電話しか利用しないのであれば取り替える必要はないので、はっきりと断ってはどうかと助言しました。

 なお、契約してしまった場合、光回線など一定の範囲の電気通信サービス契約は、書面を受領してから8 日間は契約解除できる場合があります。

 

 トラブルになった場合は、最寄りの消費生活相談窓口にご相談ください。

 

トイレの詰まりに55万円!? 高額で納得できず全額返金してほしい

5月掲載)

 

Q1 昨日、自宅のトイレが詰まったので、インターネットで検索し一番上に表示された事業者に電話したところ、「高圧洗浄なら3万円以下だが実際に見なければわからない」と言われた。すぐに事業者が来訪して30分程度、高圧洗浄を行っていたようだが、詰まりは解消せず、「床下の工事になり30万円から40万円かかる。専門の職人2人で行う」と言われて、急いでいたので断りきれず翌日、修理工事を行った。その際に「トイレの中だけなら30万円だが、他の管も見るのでさらに20万円かかる」「今日現金で支払うなら割引率が高く10% 引きになる」等と言われて、結局修理代金の総額は55万円だった。35万円を現金で支払い、残金は振り込むことになった。工事終了後、一旦は水が流れたがまた詰まり、状況は改善していないので、全額返金してほしい。 (50代 女性)

A この事例で契約した修理工事は、消費者の自宅で勧誘しているので、特定商取引法の訪問販売に該当すると考えられます。この場合、事業者は同法で定められた内容を記載した契約書面を交付する義務があります。また、消費者は書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフをすることができます。

 

 相談者には、クーリング・オフ通知を発信するよう助言し、当センターから事業者に連絡をしたところ、「工事は行ったので一部しか返金しない」と主張されました。このため、センターからは、クーリング・オフは無条件解約であり、全額返金するよう繰り返し説明しました。また行われた工事について自治体の担当に確認したところ、自治体の指定事業者以外は行えない工事だったことがわかり、その旨も指摘しましたが交渉は難航しました。最終的に事業者から33万円の返金を提案され、全額ではないものの早期解決のために相談者は了承し返金されたことを確認し、相談を終了しました。なお、後日、別の事業者に高圧洗浄を依頼したところ異物が原因だったことがわかり、詰まりは解消されたと報告がありました。

 

・契約する場合は十分に検討しましょう

トイレの詰まりなど水回りのトラブルは早く解決したいため、慌てて事業者を探して呼んでしまいがちですが、広告表示をうのみにせず、複数の事業者から見積もりをとり、作業前に作業内容や料金の書面提出と説明を求めて、よく確認することが大切です。万が一、事業者に修理を急かされても納得できなければその場で契約せず、はっきり断りましょう。また、日頃から家の施工業者など困った時に修理依頼できる事業者を確認し、集合住宅の場合には、まず管理会社などに相談してみましょう。なお、自治体では修繕工事や凍結修理などを行う給水装置や、排出設備工事事業者を指定しており、自治体のホームページで確認できる場合もあります。

 

 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

携帯電話会社からのSMS 「訴訟最終通知のご案内」?

4月掲載)

 

Q1 今日スマートフォンに大手携帯電話会社名で「利用料金に関する訴訟最終通知のご案内です。至急ご連絡ください」とSMSが届いた。先月、事業者名の記載がない料金請求のSMS が届いており、それと関係があるのか。今後の対処法を教えてほしい。 (70代 女性)

A 大手携帯電話会社名を騙り、SMSで不当に金銭を支払わせようとするトラブルが発生しています。同様の相談は全国の消費生活センターに多数寄せられており、消費者庁や各携帯電話会社も注意を呼びかけています。この事例も同様に電話することで金銭を請求されたり、個人情報を知られたりする恐れがあるため、事業者には連絡しないよう相談者に助言しました。

 

 また、以前のSMS との関連はわかりませんが、SMS は不特定多数に送ることができることから、心当たりのないメールやSMSは無視しましょう。

 

 トラブルになった場合は、最寄りの消費生活相談窓口にご相談ください。

 

コロナ対策で注文した商品 キャンセルした後に届いたが・・・

4月掲載)

 

Q1 3 週間前、新型コロナウイルス感染対策のために大手通販サイトを通してパルスオキシメーター(動脈血酸素飽和度測定器)を注文した。販売業者から注文受付メールが届き、「入金確認から2 営業日以内に発送する」と書かれていたので、コンビニで商品代金5,500円を支払った。商品がなかなか届かず、販売業者にメールで発送状況を確認したが返信がなかった。このため、通販サイトにキャンセルを申し出たところ了承され、代金はサイトで利用できるポイントで返金されることになった。 しかし、キャンセルしたのに、後日、商品が届いた。どうしたらいいか。( 60代 男性)

A 当センターから販売業者に電話をしたところ、「本人に当社の商品が届いていることに間違いない。すでにキャンセルしており、当社の手違いなので届いた商品の返送は不要」との説明があり、相談者にその旨を伝えました。後日、相談者から「注文した商品はすでにキャンセルした」と書かれたメールが販売業者から届いたと報告があり、相談を終了しました。

 

 新型コロナウイルス感染拡大により、在宅時間が増えた影響からか、これまで以上に通販サイト利用者が増えています。これに伴い、「商品が届かない」「偽物が届いた」「事業者に連絡しても返事がない」などのトラブルが増えています。

 

 通信販売には特定商取引法により広告規制があり、事業者の名称や住所、電話番号、商品の価格、返品の可否や返品できる条件などを表示するよう求めています。通販サイトを利用する際は、サイト内の情報をしっかり確認するなど十分に注意しましょう。

 

「バイト代の収入を多めに書いて」と言われ・・・ ローンを組んだエステを解約したい

3月掲載)

 

Q1 昨日、お試しクーポンで痩身エステを利用したら、1年間の痩身コースの契約を勧められた。「今なら痩身効果のあるサプリメントをプレゼントする」「ローンが組める」と言われ、断り切れず70万円の契約をした。その際に店員の指示で、ローンの審査が通りやすくなるようアルバイトの収入額を多く書いた。帰宅後、契約書をよく読んだら、契約金額にサプリメントの代金が含まれていた。学生で、就職先もまだ決まっていないし、高額なので解約したい。 (20代 女性)

A 特定商取引法では、契約金額が5万円を超え、契約(サービス提供)期間が1カ月を超えるエステ契約については、特定継続的役務提供として規制されています。事業者には、契約締結までにサービス内容や料金等を記載した概要書面と、契約締結後は速やかに契約書面を交付する義務があります。

 

 一方、消費者は法律で定められたことが書かれた契約書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフができます。クーリング・オフ期間経過後も、利用済みのサービスの料金と一定額以内の違約金を支払えば中途解約が可能です。エステの効果を高めるために必要と言われて契約したサプリメント等は、関連商品として解約の対象となります。

 

 なお、クレジットを規制する割賦販売法では、契約の都度、書面で申込をするいわゆるショッピングクレジットの場合、信販会社は販売業者の勧誘行為を調査する義務があり、不適正な勧誘があったときには契約できないとされています。

 

 相談者には、エステ店にクーリング・オフを書面で通知すること、信販会社から内容確認の連絡がきた場合には、クーリング・オフする旨を伝えておくよう助言しました。

 

 センターからエステ店に連絡し、クーリング・オフすること、相談者に対して信販会社に収入を虚偽申告するよう指示しており勧誘方法に問題があることを伝えました。

 

 エステ店からは、クーリング・オフの手続きをする、信販会社にキャンセル処理の連絡をしておくとの回答があり、相談者にその旨を伝え、終了しました。

 

 お試しのつもりで体験エステを受けたら、「今すぐ始めた方がいい」「今日なら割引価格」などと高額なエステの契約を急かされたり、早く痩せると勧められてサプリメントや家庭用痩身機器などを一緒に契約させられたりして、トラブルになるケースが発生しています。また、サービスの提供期間中に、新たな契約を勧められて次々と契約し、サービス終了後に支払いが何年も残ったという相談も寄せられています。

 

 エステは契約期間が長期に及び、料金が高額な場合があるため、契約の際は、概要書面で施術の内容や解約等について確認した上で慎重に判断しましょう。

 

 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

ネット通販でTVゲーム機注文 代金振り込みも商品届かず・・・

2月掲載)

 

Q1 1 週間前にネット通販で家庭用テレビゲーム機を注文した。会員登録後にメールで知らされた個人名義の口座に商品代金の3 万8,000円を振り込んだら、「入金確認したので2 日後に発送します」とメールが届いた。メールには宅配荷物の問い合わせ番号が記載されていたが、嘘の番号のようで、配送状況の追跡ができず、商品も届かないが、どうしたら良いか。 (40代 女性)

A インターネット等を利用して商品を購入する通信販売は特定商取引法で広告規制があり、事業者の名称、所在地、連絡の取れる電話番号等を表示するよう求められています。

 

 相談者がメールで問い合わせても返信がなく、サイトには電話番号も記載がないとのことでした。詐欺的なサイトの可能性が高く、相手と連絡が取れなければ商品の送付や返金を求めるのは難しいと思われることを説明し、広告画面や、やりとりのメールなどを保存し、警察に相談することを勧めました。

 

 消費者庁によると、昨年の夏以降、こうした相談が全国各地の消費生活センターに数多く寄せられていることから、偽の通信販売サイトに関する注意を呼びかけています。

 

詳しくは、消費者庁ホームページ(https://www.caa.go.jp/notice/entry/0223 59/) を参照してください。

 

訪問販売で火災保険の申請を依頼 調査費用は必要なの?

2月掲載)

 

Q1 約1 カ月前に自宅の点検に来た事業者から「基礎のひび割れは地震の影響なので火災保険で直せる。保険会社へ連絡してあげる」と言われたので依頼した。保険がおりたら工事もすると言われたが、工事をすることは考えていない。どうしたら良いか。(70代 女性)

A 訪問販売で住宅修理サービスや保険の申請サービスを契約した場合は、特定商取引法が適用されるため、法律で定められた事項を記載した書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフができます。

 

 相談者は契約書面等はもらっていないとのことだったため、センターから事業者に契約状況を確認したところ、「火災保険の申請手続き代行についての書面を渡している。工事をしない場合は給付された金額の40%を調査費用として支払ってもらう約束をしている」との主張でした。事業者から書面を取り寄せて確認したところ、法律で定められた事項のうちサービスの提供時期や支払い方法などの記載がありませんでした。

 

 相談者には、書面不備または書面不交付と考えられるため、いずれにしてもクーリング・オフの主張が可能であると説明し、通知を送付するよう助言しました。後日、事業者がクーリング・オフに応じたことを確認し、終了しました。

 

 保険金が給付されるかどうかは保険会社が判断することになります。保険金を使って修理ができると勧誘されても、すぐに契約せず、自分が加入している保険会社に直接相談するようにしましょう。

 

 トラブルになった場合は、最寄りの消費生活相談窓口にご相談ください。

 

強引な訪問販売で布団リフォームを契約 クーリング・オフを申し出たが・・・

1月掲載)

 

Q1 昨日、80代の母親の家に布団業者が訪問し、強引に家に上がり込んで押し入れから布団を出してリフォームを勧誘された。断ったが業者がしつこいので、仕方なく契約したようだ。20万円もするので解約したいと母が言うので、私から業者に電話でクーリング・オフする旨を伝えたら、預かった布団を3日後に返しに行くと言われた。今後、どのように対応すべきか知りたい。 (50代 女性)

A 訪問販売による契約は、特定商取引法(特商法)で規制されており、事業者は勧誘に先立ち、販売目的を告げることや、同法で定められた内容を記載した契約書面を交付する義務があります。また、消費者は書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフすることができます。

 

 契約当事者である相談者の母親に話を聞いたところ、事業者に覚えはなかったが、「以前、布団を買ってもらった。布団が湿気るという苦情があるので見せてほしい」と訪問してきた。押し入れから勝手に布団を出してきて「リフォームする」と言われ、何度も断ったがあまりにもしつこいので、仕方なく契約書に署名したとのことでした。また、リフォームは必要なく、持っていかれた布団を返してほしいとの意向でした。

 

 すでに電話でクーリング・オフを申し出てはいましたが、念のため、はがきでも通知するよう助言しました。

 

 契約当事者がクーリング・オフ通知を発送後、当センターから事業者に連絡して通知が届いたことを確認し、販売目的を告げずに訪問していることや、断っているのに勧誘を続けるなど、勧誘方法に問題があることを指摘し、クーリング・オフする旨を伝えました。

後日、契約当事者宅に布団が返却されたことを確認し、訪問販売お断りのステッカーを貼ることを助言して相談を終了しました。

 

 特商法や北海道消費生活条例(道条例)では、販売目的を告げずに勧誘することや、断っている人への勧誘を継続すること(再勧誘)を禁止しています。また、道条例では、訪問販売お断りのステッカーを貼っている家に訪問することを禁止しています。

 

 訪問販売による被害を防ぐには、「訪問販売お断り」のステッカーを貼ることも一つの方法です。また、クーリング・オフ期間が過ぎていても、販売方法等に問題があれば、事業者と交渉し、解約できることがあります。

 

 トラブルに遭ったら、速やかに最寄りの消費生活相談窓口に相談を。

 

※この事例の事業者は20201111日に北海道から特商法の違反行為および道条例に基づく不当な取引方法が認定され、業務停止命令等の行政処分を受けています。