プロが査定したのに… 車の買取額の減額に納得がいかない

12月掲載)

 

Q1 車を買い取ってもらおうと思い、インターネットで事業者に査定の申し込みをした。翌日、事業者が来訪し、内装や外回り、エンジンやボンネットの中を調べて査定した結果、買取額は70万円になった。「再査定はせず、これが確定額だ」と言われ、6日後に車を引き渡した。ところが、代金が振り込まれる前日になって「他の業者に見せたところ、修復歴が見つかった。契約書に『修復歴があると分かった場合、解約する』という条項があるので解約する。しかし、60万円でよければ買い取ってもよい」と言われた。事業者はプロとして査定をした上で金額を確定したのだから、減額には納得がいかない。当初の金額で買い取ってほしい。 (20代 男性)

 

A  当センターから事業者に連絡し、修復歴がある場合、プロである事業者が査定の際に相当の注意を払えば確認できるはずで、見落としたのは事業者側の責任ではないか、また、修復歴が引き渡し前のものであることを立証できるのかと交渉しました。併せて、修復歴が判明したときは解約できるという条項についても、消費者側に責任がない場合は一方的ではないか等と伝えて交渉を重ねました。

 

 事業者からは「第三者機関の調査で、1 年以内の修復歴だが明確な時期は回答できないと言われた。当社が査定時に見落としていたことと契約内容の説明が不十分だった」との理由で、今回は契約どおり70万円で買い取るという回答がありました。後日、全額入金されたことを確認し、終了しました。

 

 買取業者から「今なら高く買い取る」などと言われても、複数の事業者に査定を依頼するなど慎重に検討することが必要です。トラブルに遭ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。

 

申し込んだ覚えのない宝くじに当せん?!無視をしても大丈夫?

12月掲載)

 

Q1 海外から封書が届いた。開封すると「賞金獲得のチャンス。一等当せんの権利を獲得する条件は誰にも口外しないこと。賞金獲得の手続き費用として、気持ちばかりの寄付を5 千円お願いします」などと書かれた書面が入っていた。宝くじには申し込みをしておらず不審なので、このまま無視してもよいか。  (50代 女性)

 

A  申し込みをしていない宝くじや懸賞に当せんすることや当せんの候補者になることはありません。日本国内で海外宝くじを購入することは、違法になる可能性もあるので、絶対に申し込みやお金の支払いをせず無視をするよう伝えました。

 

また、最近では宝くじの協会の関係者を名乗り、海外宝くじに当せんしたというSMS(ショートメッセージサービス)が届いたり、電子マネーで支払いを求める事例もあります。同様に無視をしてかかわらないようにしましょう。

 

インターネットを使わないのに… Wi-Fi 機器やデータ通信を契約

11月掲載)

 

Q1 2カ月前、母が電話で「電話料金が安くなる」と勧誘され、何かの契約をしたようだ。部屋に未開封の箱があり、確認してみると室内カメラとWi-Fi機器が届いていた。料金は10万円と高額で分割払いで支払うようだが、母は契約の内容を全く理解していない。そもそもインターネットを利用しないので、このような機器は必要ない。受け取った機器を返して解約したい。(50代 女性)

 

A 当センターで契約書面等を確認し、事業者に問い合わせたところ、室内カメラ等を利用する見守りセキュリティサービスとモバイルデータ通信のセット契約になっていることが分かりました。また、合わせてカメラと据え置き型のWi-Fi 機器も分割払いで購入する契約になっていました。

 

 セキュリティサービスと室内カメラ、Wi-Fi 機器の販売については特定商取引法(特商法)の電話勧誘販売に該当するため、法律で定められた項目が記載された書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。この事例の場合、すでに期間が過ぎていたため、勧誘方法等の問題点を伝えて話し合うことは可能と相談者に伝えました。

 

 また、モバイルデータ通信契約については、電気通信事業法の消費者保護ルールが適用され、事業者は契約内容等について説明する義務があることを情報提供しました。

 

 当センターから、契約当事者にも聴き取りをしましたが、契約したサービスや機器、毎月の利用料金などについて理解しておらず、解約したいとのことでした。その旨を事業者に連絡し、勧誘時に説明が不足していたことと、インターネットを利用していない人に必要のない商品やサービスを勧誘するのは問題があることを伝え、解約を求めました。

 

 サービス提供事業者が実際に勧誘を行った代理店に対して勧誘の内容を確認したところ、問題があったことを認め、違約金等を支払わずに解約できることになりました。後日、送付された機器を返却し、すでに支払った代金も返金されたことを確認し、相談を終了しました。

 

・複雑な契約は注意、早めに相談を光回線と合わせて自宅のセキュリティサービス、インターネットやパソコンの保守サービスなどさまざまなサービスを組み合わせた、複雑な契約を勧誘される場合があります。契約内容やサービスがよく分からない場合、すぐに契約をせず、よく検討しましょう。

契約書面が届き、勧誘時の説明と異なっていることに気づいた場合には、契約内容によっては特商法のクーリング・オフや、電気通信事業法の初期契約解除制度により事業者に解約を求めることができます。

 また、これらの期間が過ぎていても、勧誘方法に問題があるとして解約等について事業者と話し合いができる場合もあります。トラブルに遭ったら、早急に最寄りの消費生活相談窓口に相談しましょう。

 

フリマアプリで購入した財布に傷が… 出品者がキャンセルしてくれない!

10月掲載)

 

Q1 フリマアプリで未使用だというブランド財布を買った。届いたのはカビがついた傷のある財布だった。出品者に連絡すると「キャンセルに応じる」と言うので返送した。その後、出品者が「あなたが財布をすり替えたのではないか。キャンセルには応じられない」と言ってきた。フリマアプリの運営事業者からは当事者間で話し合うようにと言われたが、出品者が対応してくれず困っている。(30代 女性)

 

A  フリマアプリは、オンライン上で実際のフリーマーケットのように出品・購入ができるアプリケーションです。個人間取引のため、トラブルが生じた場合は原則当事者間で解決することになります。代金は運営事業者が購入者から預かり、購入者が商品を受け取り、商品の状態を確認した後に出品者に支払う仕組みが多いようです。

 

当センターが運営事業者のホームページで規約等を確認すると、一定の条件を満たせば運営事業者の判断により、取引がキャンセルになる場合があると記載されていました。相談者には運営事業者に出品者との交渉の経緯を伝えてキャンセルを検討してほしいと申し出るよう助言しました。

 

後日、相談者より運営事業者から「キャンセル処理して、代金を返金する」と連絡がきたと報告がありました。フリマアプリ利用の際は規約等をよく確認し、出品者の評価も参考にするなどして、慎重に検討しましょう。

 

ゲームで高額請求! 子どもが勝手に課金、取り消しできる?

10月掲載)

 

Q1 クレジットカードの請求にゲーム配信会社名で16万円の請求があった。家族に確認すると小学生の子どもが、インターネットにつながるゲーム機で有料アイテムを購入していたことが分かった。ゲーム機には夫の名前でカード情報を登録していたため、課金できる状態だった。親としての責任もあるが、アイテムの購入は承諾していない。契約を取り消してもらえないか。 (30代 女性)

A  民法では未成年者が親権者などの法定代理人の同意を得ずに申し込んだ契約は、原則取り消すことができます。ただし、小遣いの範囲内や成年と偽って申し込んだ場合などは、取り消すことはできません。

 

当センターからゲーム配信会社に、親が承諾していない未成年者の契約のため、取り消してほしいと伝えました。配信会社は返金手続きに必要な書面の提出とゲームデータの削除に応じれば、今回に限り取り消すとのことでした。後日、相談者より、いったんカード会社には支払ったが、全額が配信会社から返金されたと報告がありました。

 

子どもにゲームを利用させる場合は、ゲーム内での課金やオンラインプレイの有無などを確認し、プレイ時間や有料アイテムの購入に制限をかけることなども含め、よく話し合ってください。また、クレジットカードは原則カード名義人に支払い義務があります。管理はしっかりと行いましょう。

 

トラブルに遭った場合は、最寄りの消費生活相談窓口へ。

 

ネットビジネスで簡単に稼げる?!   もうからない…解約したい

9月掲載)

 

Q1 ネットビジネスに関する無料のメールマガジンに「月収1000万円以上」と書いてあったので、メールで代表者に連絡を取った。「食品や日用品などを仕入れてネット上で販売するビジネスで、単純作業で誰でもできる、必ず稼ぐことができる」と説明された。通常は6カ月間のサポートだが、今日中に申し込めば利益が150万円になるまで無期限でサポートするとのことなので、クレジットカードで50万円支払って契約した。教材をダウンロードして言われたとおりにやってみたが、稼げるどころか損失が出た。途中で質問をしても自分で調べるようにと言われ、全くサポートもしてもらえなかった。信用できないので解約し、返金してほしい。 (30代 男性)

 

A 副業や投資等で高額収入を得るためのノウハウと称してインターネット等で販売されている情報のことを「情報商材」といいます。広告等をきっかけに簡単に収入が得られると信じて契約したものの、広告や説明と違って収入が得られないという相談が全国の消費生活センターに多数寄せられています。

 

この事例の場合、事業者が具体的な説明をせず、確実に収入が得られることを強調して契約を勧めていることや、契約書面等を見ても具体的なサービス内容の記載がないことなど、販売方法に問題があると相談者に説明しました。また、契約の経緯をまとめた書面を事業者と決済代行会社、クレジットカード会社に送付するよう助言しました。

 

当センターからも事業者に連絡し、問題点を伝えて交渉しましたが、「相談者が指示どおりに作業をしていない、利益が得られるまでサポートすることになっているので解約には応じられない」と主張しました。

 

そこで決済代行会社に事業者の販売方法や対応に問題があることを伝え、協力を求めたところ、最終的に事業者から全額返金されることになりました。

 

相談者には簡単に高額収入が得られることは考えにくいため、今後は注意するよう伝えました。

 

・簡単にもうかる話はありません!

このほか、「FXや仮想通貨の自動売買ツールを使えば簡単にもうかる」「アプリを紹介するだけで報酬がもらえる」と説明されたが、実際にやってみるともうからなかったなどの相談も寄せられています。

最初は数千円程度の情報商材を販売し、「もっともうかるコースがある、人数限定なので急いだ方がよい」などと勧誘し、高額なソフトウエアを購入させたり、コンサルティングと称した契約をさせたりする手口もあります。

事業者の言うとおりにすれば、自分は何もしなくても簡単にお金が稼げるなどという話はあり得ません。「誰でも簡単に稼げる」といった説明があったらまずは疑い、契約をする前に冷静に考えましょう。

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電話で短歌をほめられた 展示を勧められ…

8月掲載)

 

Q1  昨日、突然電話があり、同人誌に掲載された短歌をほめられ、短歌を花瓶に刻印し展示会に出展しないかと勧められた。展示会場が遠くて見に行けないし、お金もかかると言われたので、夫と相談したいと返答した。しかし、書面を送ると言われてしまい困っている。申し込んだつもりはないが、どうしたらよいか。 (80代 女性)

 

A 電話勧誘販売で契約した場合、特定商取引法が適用されます。事業者には法律で定められた事項を記載した書面を交付する義務があり、消費者は書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフできます。

 

この事例の場合、申し込みをしたつもりはないようですが、仮に相手から契約に承諾していると言われても、まだ書面を受け取っていないので、クーリング・オフが可能です。

 

相談者には、契約書面が届いた場合、「申し込みをした覚えはないが、念のため申し込みを撤回する」旨、ハガキに書いて通知するよう助言しました。後日、自宅に契約書面が届いたが、助言通りに対応したと連絡がありました。

 

当センターからも事業者に連絡をとり、相談者は申込をした認識はないこと、念のためクーリング・オフ通知を送付したことを伝えました。

 

以前は短歌や俳句などをほめられ、新聞に掲載しないかと勧誘され、高額な掲載料を請求される事例が多く見られました。このような手口は「ほめあげ商法」といわれています。

 

最近は作品を印刷した扇子やスカーフなどを、展示会へ出展するよう勧誘され、出展する品物代や出展料を請求されたという相談も寄せられています。十分ご注意ください。

 

宿泊1カ月前なのに… ホテルのキャンセル料は必要?

8月掲載)

 

Q1 宿泊予約サイトでホテルを予約しクレジットカードで決済した。直後にキャンセルしたが、宿泊予定の1カ月前にもかかわらず、宿泊費と同額のキャンセル料が発生するため、返金はできないと言われた。納得できない。 (40代 女性)

 

A  宿泊予約サイトに宿泊条件やキャンセル料が発生する時期や金額などの解約条件についての記載があった場合、基本的にはそれらに従うことになります。旅行会社でツアーの予約をする場合と異なり、契約直後のキャンセルや、かなり先の日程の宿泊予約であってもキャンセル料がかかる場合があります。

 

相談者には宿泊予約サイトの規約等を確認するよう伝え、解約条件についての記載があった場合、返金を求めるのは難しいと考えられる旨を伝えました。

 

インターネットでは簡単にホテルなどの予約ができ大変便利ですが、解約トラブルは少なくありません。宿泊予約サイトを利用する際は、料金だけでなく、利用規約や、キャンセルをした場合にいつからキャンセル料がかかるかなどの解約条件もよく確認しましょう。

 

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お試しのつもりが定期購入に・・・ 2回目以降も払わなければならないの?

7月掲載)

 

Q1 1カ月前、インターネットで健康食品がお試し価格500円との広告を見た。「定期購入」の表示がないことを確認して注文した。ところが数日前、同じ商品が送られてきて、商品代金4000円の振込用紙が同封されていた。お試しで1回限りの注文をしただけで定期購入契約をしたつもりはない。2回目に届いた商品は返品し、代金は払いたくない。(50代 女性)

 

A  インターネットなどを利用して商品を購入する通信販売は、特定商取引法で広告規制があり、事業者の名称や住所、電話番号、商品の価格、返品の可否や返品できる場合の条件などを消費者に分かりやすく表示するよう求められています。

 

また、商品の購入が2回以上継続する、いわゆる定期購入契約の場合には、申込画面や確認画面上に定期購入である旨と金額、商品の引き渡しの回数、商品代金の総額等の条件を記載しなければなりません。

 

当センターで相談を受け付けた時点での広告を確認したところ、定期購入である旨の表示はありましたが、ほかの文字と比較して小さく、分かりやすい表示ではありませんでした。相談者にも確認をしましたが、申し込みをした際の広告には定期購入の表示はなかったと思うとのことでした。

 

当センターから事業者に連絡したところ、「広告には定期購入であることと、発送予定日の10日前までに申し出ると解約ができることを表示している。すでに発送した商品の返品は受け付けない」との回答でした。

 

相談者の主張と広告の表示が分かりにくいなどの問題点を当センターから事業者に伝えて交渉したところ、事業者から「定期購入だと分からなかったと主張するのであれば、今回は返品を受け入れる。送料は自己負担で、宅配便などで返品してほしい」と提案があり、相談者はこれに応じて返品をしました。

 

・2回目以降高額になる場合も

インターネットなどの通信販売については、定期購入と気付かず契約してしまい、後日トラブルになるケースが後を絶ちません。「解約したいが事業者に電話がつながらない」といった相談のほか、最近では「商品代金が無料だから注文をしたのに後日、同じ商品が大量に送られてきた上に数万円の高額な請求を受けている」という相談も寄せられています。これは、1袋分の商品を無料とする条件として2回目以降は数カ月分(数十袋)をまとめて購入するというもので、金額も毎月購入するよりも高額になっています。

商品を注文する際には、申し込みの最終画面で定期購入が条件となっていないか、条件となっている場合はその期間や支払うこととなる総額などの契約内容についてしっかり確認しましょう。また、解約や返品ができる場合の条件や事業者への連絡方法もよく確認し、申し込みの最終画面を印刷したり、スクリーンショットを保存したりすることで、契約内容を記録しておくとよいでしょう。

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ストーブの点検通知が届いたが…点検は必要なのか?

6月掲載)

 

Q1 8年前に購入したFF式ストーブのメーカーから、法定点検と書かれた案内通知が届いた。点検料金が8千円で、部品交換が必要な場合は別途部品代がかかるとのことだが、本当に必要な点検なのか。(60代 女性)

 

A FF式石油温風暖房機は「特定保守製品」に該当し、経年劣化によって火災や死亡事故などの重大事故を起こすおそれがあるため、「長期使用製品安全点検制度」により、定期点検を行うよう定められています(法定点検)。対象となるのは平成2141日以降に製造・輸入された製品で、このほかに石油給湯機や石油ふろがま、浴室用電気乾燥機、ビルトイン式電気食器洗機、屋内式ガス瞬間湯沸器、屋内式ガスふろがまも対象となっています。

 

製品を購入した時点で所有者登録をすると、メーカーや輸入業者から点検通知が届きます。製品を安全に使うために通知が届いたら事業者へ連絡をして点検を受けた方がよいでしょう。

 

相談者には制度の説明をして、点検の内容等についてはメーカー等に確認するよう助言しました。

 

また、扇風機やエアコン、洗濯機など特定保守製品ではないものの、経年劣化による事故が多い製品には標準使用期間などの注意喚起等が表示されています。「いつもと違う」と異変を感じたら、すぐに使用を中止し、メーカーや販売店などに相談しましょう。

 

皇室関連の置物の購入を勧められた クーリング・オフできる?

6月掲載)

 

Q1 高齢の義母が電話で、7万円もする皇室関連の置物を勧められて承諾してしまった。商品は3日後に代引きで届く予定だが、本人は解約したいようだ。クーリング・オフできるのか。(当事者:90代 女性)

 

A 天皇の退位などに便乗し、皇室関連の商品の購入を電話で勧められたとの相談が寄せられています。電話勧誘で契約した場合、特定商取引法が適用されます。事業者には法律で定められた事項を記載した書面を交付する義務があり、消費者は書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフできます。この事例の場合、まだ書面を受け取っていないので、クーリング・オフが可能ですが、事業者の連絡先がわかりませんでした。そこで、商品が届いたら宅配業者に事情を説明し、送り状に記載されている事業者の連絡先をメモさせてもらった後、その住所あてにクーリング・オフ通知を送付すること、商品は受け取り拒否するよう助言しました。

 

後日、相談者から助言どおりに対応できたと連絡がありました。

 

このほかにも、「断ったのに高額な皇室写真集が送られてきた」といった相談もあります。10月には新天皇の即位の儀式も行われますので、皇位継承や改元等に便乗した商品の勧誘には十分気をつけましょう。

 

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このままだと電話が使えなくなる?切り替え工事が必要なの?

5月掲載)

 

Q1 契約中の大手電話会社を名乗って、固定電話がアナログ回線から光回線になるので、2週間後に切り替え工事に行くと電話がきた。工事費はかからないが基本料金が上がるとのことだった。生年月日を聞かれたので答えたところ、家族の承諾が必要なので連絡先を教えてほしいと言われた。おかしいと思って電話を切ったが必要な工事なのか。 (70代女性)

 

A  東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は2024年1月以降、固定電話網を、インターネットで利用されるIP技術を利用した音声電話サービス(IP網)へ移行するとしていますが、固定電話を引き続き利用する場合、移行に伴う手続きや消費者宅内の回線の切り替え工事は不要で、利用中の電話機等はそのまま使えると説明しています。また、IP網に移行後も基本料金は現在と同額の予定と公表されています。

 

この事例は、大手電話会社の代理店による光回線と付加サービスであるIP電話の勧誘と考えられます。相談者には、電話は今のまま使い続けることができるので、光回線に変更する必要はないことを説明しました。

 

当センターから代理店に連絡したところ、古い線を新しい線にしてもらうお願いをしたが、高齢なのでご家族の承諾を得る必要があった、とのことでした。そのため電話回線の切り替え工事が必要とだけ告げて、インターネットを利用しない高齢者に十分な説明を行わずに光回線を勧めるのは問題ではないかと指摘しました。また、契約には至っていないことを確認し、相談者は今後の勧誘を断っていることも伝えました。

 

契約中の大手電話会社にも連絡し、勧誘の問題点を伝えたところ、代理店を指導するとのことでした。

 

・通信の契約は慎重に!

このほかにも「アナログ回線やISDN回線の電話が使えなくなる」「電話代が安くなる」などとうたって、光回線やIP電話を勧誘されたという相談が増えています。

これらの電気通信サービスの勧誘には、電気通信事業法の消費者保護ルールが適用されます。事業者は契約前に事業者の名称や料金、提供条件等を説明しなければなりません。契約が成立したときは、契約内容を明らかにした書面を速やかに交付する義務があります。

また「電話が使えなくなる」などと事実と異なることを告げたり、断った人に勧誘を続けたりすることは禁止されています。

なお、一定の範囲の電気通信サービス契約は、書面を受領してから8日間は、契約解除できる場合があります。

固定電話のIP網移行に便乗した、電話や訪問での悪質な勧誘が今後も増える可能性があります。不要な勧誘はきっぱりと断り、トラブルに遭った場合は最寄りの消費生活相談窓口へ。

 

ネットでラグビーチケットを購入観戦できないかも?…解約したい!

4月掲載)

 

Q1 ラグビーの観戦チケット3枚をネットで購入し、クレジットカードで代金を決済した。その後、自分が購入したのは転売仲介サイトで、非公式サイトで購入したチケットは使用できないことがわかった。解約を希望したが、規約上できないことになっているとサイトからメールで返事があり、困っている。(30代男性)

 

A 9月から開催予定のラグビーワールドカップ2019TM日本大会をネットで検索すると、転売サイトなどが上位に表示され、公式サイトと誤認して購入してしまったという相談が全国の消費生活センターに寄せられています。

 

公式サイトには、「本チケットサイト以外のウェブサイトで購入したチケットは無効と

され、使用できませんのでご注意下さい」との記載があります。相談者が利用したサイトは非公式チケット販売サイト一覧に記載のある海外の事業者でした。

 

海外の事業者の場合、キャンセルや返金について交渉が難航することが予想されますので、カード会社に使用できないチケットを購入してしまった事情を伝えて対応を依頼してみてはどうかと助言しました。当センターからカード会社に連絡したところ、対応について検討するとのことでした。

 

転売仲介サイトには「残りわずか」「数分以内に予約を完了しないと無効」などと表示されることがあります。焦って購入せず、まずは公式サイトであることをよく確認しましょう。

 

なお、公式サイトではやむを得ず観戦できなくなったチケットを譲渡する公式リセールサービスを5月に開始する予定ですが、公式サイトで購入した本人しか出品できません。

 

トラブルに遭ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。

 

大手通販会社から料金未納の連絡が…覚えがなく不審

4月掲載)

 

Q1 大手ネット通販会社名で「利用料金の精算確認が取れていない」とスマホにSMSが届いた。電話をすると12カ月分の料金30万円が未納、債権譲渡されているので電子ギフト券で支払うように言われた。利用した覚えはなく、不審だ。(50代男性)

 

A 大手通販会社などになりすましたSMSで未納料金の名目で金銭を支払わせようとするトラブルが多発しています。

 

「連絡しないと法的手続きを取る」と連絡を急かしたり、「一旦支払えば後で返金する」など虚偽の説明をして支払わせたりすることがあります。名前を使われた大手通販会社は自社のホームページで注意喚起をしており、消費者庁なども繰り返し注意を呼び掛けています。

 

相談者には同様の相談が多数寄せられていることを情報提供し、利用した覚えが全くないのであれば代金は支払わず、事業者にも一切連絡をしないよう助言しました。

 

このほか、事業者から支払い番号を教えられてコンビニ支払いを指示されることもあるようですが、支払ってしまうと被害の回復は難しくなりますので、十分注意しましょう。

 

「何でも買い取る」と言われ… 売却したネックレスを返してほしい!

3月掲載)

 

Q1 1週間前に何でも買い取ると電話があり、食器の買い取りを依頼した。昨日自宅に来た事業者に「これは買値がつかない。アクセサリーはないか」と言われたので、何点か見せた。ネックレス2本を8千円で買い取ると言われ売却してしまったが、後でよく考えると高かったものなので返してほしいと思い、事業者に電話をしたがつながらない。どうしたらよいか。(80代 女性)

 

A 事業者が消費者の自宅等を訪問し、物品を買い取る訪問購入は、特定商取引法(特商法)によって規制されており、事業者には法律で定められた項目が記載された書面を交付する義務があります。売り主である消費者は、書面の交付日から8日間はクーリング・オフが可能です。クーリング・オフ期間内は、消費者は物品をすぐに引き渡さず手元に置いておくことができ、事業者はその旨を書面に記載する必要があります。

 

ただし、消費者から事業者に自宅に来て買い取ってほしいと要請した場合、その物品は、クーリング・オフはできません。

 

また、実際の勧誘に先立ち、事業者名、勧誘の目的、買い取る物品の種類を明らかにする必要があるため、「何でも買い取る」とだけ告げて勧誘することや、事前に依頼していない物品について、その場で勧誘することは禁止されています。

 

相談者には、ネックレスは事前に買い取りを依頼しておらず、期間内のためクーリング・オフができることを伝え、書面の書き方を説明し、コピーを取った上で簡易書留郵便等で事業者に送付するよう助言しました。当センターからも事業者に連絡して問題点を指摘し、クーリング・オフすることを伝えました。後日相談者より、事業者からネックレスが返品されたので、8千円を返金したとの連絡がありました。

 

・さまざまな買い取りトラブル

 「電話で買い取りを勧誘され、断ったにもかかわらず、事業者が訪問してきた」「事業者が帰ってから、売らないと伝えていた高価な指輪を持っていかれたことに気づいた」などの相談が高齢者を中心に寄せられています。終活のつもりでまとまった不用品を処分する際に、トラブルになるケースもあるようです。

特商法で規制する訪問購入においては、突然自宅に訪問して勧誘することや、断っている人への再勧誘は禁止されています。

不要な勧誘はきっぱりと断りましょう。もし、買い取りを依頼する場合も本当に契約が必要かどうか、いったん冷静に考えましょう。

なお、自動車(二輪を除く)、家具、家電(携行が容易なものを除く)、本、CDDVD、ゲームソフト類、有価証券など一部の物品は、クーリング・オフはできないため、特に注意が必要です。

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火災保険で住宅修理?手続きを代行するというチラシ

2月掲載)

 

Q1 火災保険の給付金で住宅の修理ができるので、手続きの代行をする、という内容の新聞折り込みチラシを見た。この事業者は信用できるか。(70代 男性)

 

A 事業者の信用性については不明ですが「保険手続きを代行すると勧誘され、契約後修繕工事の契約を断ったら違約金を請求された」「工事がずさんだった」などのトラブルがあることを伝え、保険金の請求は保険会社や代理店に分で連絡を取り相談してはどうか、修理工事については複数の事業者から見積もりを取ってはどうかと助言しました。

 

昨年9月の胆振東部地震の後に、「地震で被害に遭った人を手伝っていると訪問してきた業者に、保険手続きの代行を依頼したところ、35%の成功報酬を払ってもらうと言われた」という相談もありました。違約金や手数料等も含め、契約内容を事前にきちんと説明されない場合は注意が必要です。

 

大規模災害の後は、便乗した点検商法や不安をあおる悪質なセールストークによる勧誘トラブルが発生しやすいので、契約を急かされてもすぐに契約せず、相談しましょう。

 

設備や修理、中途解約の違約金…書面に記載なく不安

2月掲載)

 

Q1 仲介業者を通し、賃貸マンションの契約を申し込んだ。重要事項説明の段階で、トイレや風呂、エアコン等の設備の状況と、壊れた場合は修理をするという説明があったが、書面に記載がなかった。また、契約期間が経過し更新した後は、中途解約の違約金はかからないと口頭で説明があったが、書面の記載は更新後の中途解約でも違約金がかかるような内容になっている。これらのことを指摘すると、これ以上の記載は必要がないと言われ、不安だ。どう対応すればよいか。(40代男性)

 

A 宅地建物取引業法では、媒介等をする事業者は契約前に借主に対し、対象となる建物や設備の状況、契約期間や中途解約の違約金などの取引条件等が記載された重要事項説明書を交付し、説明することと定められています。仲介業者にそのことを伝え、設備の整備状況などの書面への記載を求めてはどうかと伝えました。

 

違約金については則、契約書面等の記載内容に従うことになると思われるので、相談者自身が確認した内容を記録に残し、合わせて貸主側に書面で通知をするなどして証拠を残してはどうかと伝えました。

 

賃貸住宅の契約時のトラブルとして、「契約書面等の記載にない管理サービスや退去時の清掃料について、管理会社との契約書面を別途契約後に渡された」「入居時にハウスクリーニングを入れていると言われたが、実際には清掃されておらず、水道の赤さびもひどかった」といった相談も寄せられています。

 

重要事項は早めに説明を受け、疑問に思うことは質問し、理解、納得したうえで契約しましょう。部屋の鍵を受け取る際には、退去時のトラブル防止のため、チェックリストを作成し、貸主等の立ち会いのもと、物件状況を確認し、気になるところは写真を撮って残しておくとよいでしょう。

 

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電話で勧誘を受け…小売電力の契約は解約できる?

1月掲載)

 

Q1 昨日、契約先の大手電力会社を名乗る電話があり、「電気料金が安くなる」「検針の紙はあるか」と言われたので、検針票に記載されている内容を聞かれるままに読み上げたところ、「契約が成立しました。メーターを取り替えに行きます」と言われた。話を聞くうちに大手電力会社からの勧誘ではないことが分かり、断った。きちんと伝わっているか心配だ。(60代 女性)

Q2 通信事業者から「セットで契約すれば、ネット接続プランと電力の月額料金が安くなる」と電話があり、契約した。5日前に設定を終え、契約書面も交付されたが、契約期間に縛りがあり、期間内に解約すると解約料がかかることが初めて分かったのでやめたい。(40代 女性)

 

A 平成28年4月から電力の小売が自由化され、ガス会社や通信会社などが新規参入しています。

 

訪問販売や電話勧誘販売で小売電力を契約した場合、特定商取引法(特商法)が適用され、事業者には勧誘に先立ち、販売目的を告げることや法律で定められた事項を記載した契約書面の交付が義務付けられています。消費者は書面が届いてから8日間はクーリング・オフができます。

 

Q1の場合、相談者は契約してすぐに断っていることから、まずは電話で確認するよう伝えました。その後、相談者から解約になっていたと連絡があり、終了しました。

 

Q2の場合も小売電力については電話勧誘販売なので特商法のクーリング・オフが可能です。また、ネット接続については電気通信事業法の初期契約解除制度が適用されるため解約はできますが、利用した料金と、上限額までの事務手数料等は請求されることになります。相談者には以上を伝え、ハガキに必要事項を記載した解約通知を簡易書留等で送付するよう助言しました。

 

なお、「安くなる」としか説明されておらず、提供条件等の説明が不十分であることから、ネット接続についての手数料等の請求に納得がいかない場合は、当センターが間に入り、交渉をすることも可能と伝えました。

 

その後、相談者から連絡があり、事業者に電話で解約したいと伝えたところ、電力とネット接続についても一切の負担なしで解約を受けると言われた旨、報告がありました。解約書面はいらないとのことでしたが、念のため書面を送付するよう伝えて終了しました。

 

・さまざまな勧誘トークに注意!

消費者が自由に電力を選べるようになりましたが、切り替えない場合は、今まで通りの電気が供給されるので、心配はいりません。

「今のままだと電気が使えなくなる」と契約を急かす事業者や、電力の自由化に便乗し、「新たな機器の契約が必要」などと勧誘する事業者には注意し、必要な契約かどうかよく確認しましょう。

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