(12月掲載)
Q 昨日、スマートフォンで無料だと思って自分の年齢を入力したら有料アダルトサイトにつながり、19万8千円を請求する画面になった。サイトに電話をかけて間違って登録したと伝えたが、支払わないのであれば法的手続きをとると言われた。インターネット検索で無料の相談窓口を見つけて電話をかけたところ、「解約や減額交渉ができる。仲介料金は5万4千円」と勧誘された。サイトからの請求額より安いので申し込んだが、この業者のことを調べたら探偵業者のようだ。不審なので解約したい。 ( 60代 男性)
A この事例のようにインターネット広告などで無料で相談を受けるとうたい、消費者に電話をかけさせ、その電話で有料サービスを勧誘した場合、特定商取引法の電話勧誘販売に該当します。そのため、法律で定められた契約書面を受け取ってから8日間は無条件で解約できます。
また、解約や減額交渉を行うのが探偵業者であれば、解約などの交渉は探偵業の範囲を逸脱しており、弁護士法に抵触する可能性があります。
相談者には、年齢確認をしただけではアダルトサイトの契約は有効に成立しておらず、支払う必要はないと思われるので、無視して様子をみるよう説明しました。
探偵業者との契約については、電話勧誘販売に該当すると思われるので、クーリング・オフの通知を送付するよう助言しました。
後日、当センターから探偵業者へ確認したところ、解約処理がされており、今後、費用請求することはないとの返答でした。
探偵業者以外にもコンサルタント契約などの名目で、同様の契約をさせる事業者もいますので注意しましょう。契約してしまった場合、事業者が消費者契約のルールを知らず、解約交渉が難航することもあります。不審に思ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。
Q 「消費者センター」を名乗る男性から電話がきて、「あなたの個人情報が3つの会社に登録されているが、消すことができる」というので依頼した。10分後に再度電話があり「2社は消せたが3社目が消せないので、ほかの人の名前に変更する」などの説明があった。すぐにその人から電話がきたが不審に思う。 ( 70代 女性)
A 公的機関を思わせる団体を名乗り、「個人情報を削除できる」などと持ちかけ、最終的にはお金をだまし取る手口が増加しています。相談者には、出回ってしまった個人情報を消すことはできないと説明しました。
また、消費生活センター等の公的機関が「個人情報を削除できる」などと電話することはありません。電話がきても相手にせず、すぐ切るように伝えました。今後、何らかの名目で金銭を要求されても絶対に支払わず、無視して警察にも相談するよう助言しました。
迷惑電話対策として留守番電話や番号表示サービスを利用するなど、相手を確認して出るようにしましょう。道警でも迷惑電話を着信拒否する機器を貸し出し、実証実験参加を呼びかけています。詳しくは最寄りの警察署生活安全係へお問い合わせください
日ごろから振り込め詐欺などの情報に関心を持ち、電話を受けてしまっても慌てて一人で考えずに家族や警察、最寄りの消費生活相談窓口に連絡しましょう。
(11月掲載)
Q1 光回線の料金が安くなると電話で変更を勧められ、よくわからないまま契約してしまった。調べてみるとそれほど安いわけではないようだ。3日後に工事予定だが、契約先を変えたくないので解約したい。 (50代、男性)
Q2 昨日、プロバイダの乗り換えを電話で勧められ、考える間もなく申し込んだ。事業者がパソコンを遠隔操作して設定したが、不安になったので解約したい。 (40代、女性)
A インターネットを利用するにあたっては、通信会社との回線契約(光回線など)と、プロバイダとのインターネット接続サービス契約を結ぶ必要があります。これらの通信サービスは電話勧誘販売であっても特定商取引法が適用されないため、法的なクーリング・オフの制度はありません。
Q1のような回線契約については、回線敷設工事を行う前(開通工事の完了まで)であれば、一切の負担なく解約が可能とする業界団体の自主ルールがあります。相談者にはその旨伝え、事業者に解約を申し出るようアドバイスしました。
Q2の場合、当センターから事業者へ問い合わせたところ、自主的にクーリング・オフ制度を設けているとのことで解約料を負担せずに解約できました。
事業者に自分のパソコンの遠隔操作を許すということは、自分のパソコン内にある情報を勧誘業者が見たり、自由に操作できたりすることになり、情報が漏れる危険性があることを知っておきましょう。
インターネット回線契約やプロバイダ変更の勧誘トラブルに関する相談が急増しているため、独立行政法国民生活センターは注意を呼び掛けています。
大手電話会社、もしくはその関連事業者だと誤解させて勧誘している場合もあるので、契約の際は契約先を必ず確認して書面の交付を求め、現在の利用料よりも何がいくら安くなるのかなど内容を確認しましょう。新たな契約の必要がなければきっぱりと断りましょう。
光回線やプロバイダを変更した場合、料金が二重に発生してしまったといった相談も寄せられています。変更前の事業者へ解約を申し出ない限り、契約が継続してしまうことがあります。解約には違約金が必要な
場合もあるので、違約金も含めた費用負担も考慮しましょう。
・電気通信事業法改正へ
総務省は通信サービスを規制する「電気通信事業法」について平成27年度の一部改正を目指し検討しています。
消費者が通信会社と結ぶ回線サービス契約やプロバイダ契約、ケーブルテレビなどについては、契約の初期段階であれば解約できるルールが設けられる予定です。契約から何日以内なら取り消せるかといった詳細は現時点では未定です。
(10月掲載)
Q 磁気治療器の無料体験に通っている。「磁気により血流がよくなり体調がよくなる」との説明があり、「血圧が正常になった」「脳梗塞がよくなった」などの体験談も聞かされた。10年ほど前に他社の電位治療器を購入したが、効果がないという報道があった。事業者は気に入ったら購入してほしいと言うが、120万円もして悩んでいる。 (50代 女性)
A 家庭用医療機器については薬事法により広告内容が規制されており、認証を受けた範囲の効能効果(例‥磁気治療器は装着部位の凝り、および血行の改善)の広告等を行うことは認められていますが、認証を受けた範囲を超える効能効果についての広告等を行うことは誇大広告として禁止されています。
この事例の場合、事業者が消費者の体験談を元に根拠のない説明をした場合や必ず病気がよくなるなどと思わせるような説明をした場合は、薬事法等に触れる可能性があることを伝えました。
また、特定商取引法の訪問販売に該当するような販売方法の場合は、法律で定められたことが記載された書面(法定書面)の交付義務やクーリング・オフの規定があることも情報提供しました。
家庭用医療機器は体質により、使用できないこともあります。承認番号などを確認の上、一般社団法人日本ホームヘルス機器協会に機器の使用目的や効能効果などを問い合わせてみましょう。
Q 公的機関のような名称の団体から自動音声の電話があり、「自宅の調査を希望するか」などのアンケートに答えた。後日、同じ団体から電話があり、「屋根などの雪害による傷みを、火災保険の保険金だけで修理できるので、調査に行きたい」と言われた。しつこく勧誘されたので仕方なく自宅に来ることを了承したが、どのような団体なのかを確認したところ別会社の名称を名乗ったので心配になった。どうしたらよいか。 (70代 男性)
A 住居として使用している建物や家財が自然災害により損害を受けた場合、保険金が支払われることはありますが、この事例のように保険金を使い、無料で修理できると勧誘する事業者については、「修理を断ったら違約金を請求された」「無料調査と勧誘され、高額な調査料を請求された」といったトラブルが発生しています。独立行政法人国民生活センターや一般社団法人日本損害保険協会からも注意喚起されています。
また、訪問販売や電話勧誘販売での住宅修理サービスの勧誘は、特定商取引法の規制を受けるので、勧誘に先立って(今回の事例ではアンケートの前に)会社名や勧誘の目的等を告げることや法定書面を交付することなどが義務づけられています。また、書面交付から8日以内であればクーリング・オフが可能です。
相談者には心配であれば調査は断ることを伝え、修理が必要な場合は安易に契約せず、保険金の請求については、損害保険会社や代理店に相談し自ら申請を行い、修理については複数社から見積もりを取るようアドバイスしました。
トラブルに遭ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。
(9月掲載)
Q1 2カ月前、新聞の折り込みチラシに2千円で占いをしているとあり、出かけて行って家族のことを占ってもらった。占いの後にこのままでは家庭が崩壊すると言われて祈祷を勧められ、73万円の祈祷料を支払い領収書を受け取った。祈祷を受けたが、よく考えると必要のないものと思えてきたので、返金してほしい。 (70代、男性)
Q2 3日前、自宅を訪問してきた事業者に印鑑を見せたところ、「この印鑑は2つに割れ、よくないことが起こる。長生きはするが、首から上の病気にかかる」などと言われた。不安に思っていると、代わりの印鑑2本を購入するよう勧められ、30万円の契約を結び、手付金として5万円を渡してしまった。高額なので解約したい。 (60代、女性)
A Q1のように自らが占いに出向いている場合、チラシ通りに2千円の占いをしてもらった場合は、特定商取引法(特商法)に該当しません。しかし、相談者が予定していない不意打ち的な勧誘で祈祷サービスの契約をしたのであれば、特商法の訪問販売に該当すると考えられます。
訪問販売や電話勧誘販売では、事業者は法律で定められた事項を記載した書面(法定書面)を交付することになっています。法定書面交付日から8日以内、交付されていなければ8日を過ぎてもクーリング・オフを申し出ることができます。
Q1の場合、相談者は領収書しか受け取っていなかったので、クーリング・オフができることを助言しました。当センターから事業者に、祈祷によって家族崩壊を防げるなど不確定なことを言って勧誘しているなどの問題点を指摘し、全額返金するよう求めました。当初、事業者は返金に応じませんでしたが、後日、相談者の口座に全額振り込まれたことを確認して終了しました。
Q2の場合、クーリング・オフの期間内なので、書面で解約を申し出るよう助言しました。後日、相談者の口座に振り込まれたことが確認され、終了しました。
・何かがとりついた?不安や恐怖心をあおる・・・
これらの事例のように、相談者が不安や悩みを抱えていることにつけ込んで、高額な祈祷料や印鑑の代金を支払わせる悪質な開運商法が後を絶ちません。
よくある手口として「何かがとりついているので、おはらいをしなければならない」「護摩木を火に入れたら真っ黒い煙が出た」などと不安や恐怖心をあおられ、祈祷サービスなどを勧誘されます。
また、雑誌やインターネットのサイトなどに「運気が上がる」「金運に恵まれる」などと掲載されたブレスレットなどの開運グッズを購入後、さらに電話などで新たな開運グッズや祈祷サービスの勧誘をして、次々と高額な契約をさせる手口もあります。この場合、特商法の電話勧誘販売に該当する可能性があります。
不安をあおられながら冷静な判断ができない状態に誘導し、契約させるなど悪質なケースが多くみられます。自分一人では対応できないと思ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。勧誘時に恐怖を感じることがあったら、警察にも相談しましょう。
お金を支払ったから運が開けるということはありませんので、十分注意しましょう。
(8月掲載)
Q 3日前、インターネット通販で化粧品を注文し、クレジットカードで決済した。商品を宅配便で受け取った後、同封されていた納品書を見て、定期購入になっていることが分かった。2回目以降の注文を取り消したいがどうしたらよいか。 (30代 女性)
A インターネットなどの通信手段を利用して商品を購入する通信販売は、特定商取引法で広告規制が設けられており、返品特約の有無と返品期間や条件、申し込みの解除に関することなどを消費者に分かりやすく表示するよう求められています。
1回限りの購入だと思っても、広告表示が分かりにくかったため知らないうちに定期購入になってしまう場合があることから、独立行政法人国民生活センターでも注意を呼び掛けています。
定期購入は健康食品やダイエット食品などに多く、「毎回注文する手間が省ける」「単品購入よりも割安」などのメリットを強調する事業者もいますが、すぐに解約できなかったり、使い切れないうちに次の商品が送られてきたりすることもあり、トラブルの原因となっています。
この事例については、当センターで通信販売サイトの表示をよく確認すると、定期購入であることや購入を中止する場合は、配送予定日の10日前までに連絡するようにと記載されていたので、その旨、相談者に伝え、自分で申し出してもらいました。
通信販売を利用する際、商品のイメージや価格のほか、購入の回数や支払い方法、返品の可否や方法などの取引条件もよく確認しましょう。
Q ウナギの稚魚が減っている。水産庁が補助金を出しているのでウナギ養殖事業者に出資すれば高配当がつく」と電話で勧誘された。信用できるか。 (70代 女性)
A 相談者には、「必ずもうかる」「高値で買い取る」「高配当がつく」などと言って、事業への出資をあおるのは、典型的な劇場型詐欺によるもうけ話と思われるので、事業者には連絡せず、無視するよう助言しました。同様の手口について、独立行政法人国民生活センターなどが注意喚起をしていることも伝えました。
後日、消費者庁が調査した結果、当該事業者(ライトオンサプライ株式会社)は、事業の実態がないことや、水産庁が補助金を支給している事実はないことなどが判明しました。消費者安全法に基づき、消費者被害の発生や被害拡大の防止のため、事業者名などの情報を公表し、消費者へ注意を呼び掛けています。
詐欺的な勧誘を行う事業者は消費者に対し、特定封筒(レターパックなど)や宅配便を用いて、現金を送付するよう指示したり、自宅に現金を取りに行くと言ってきたりしますが、絶対に支払ってはいけません。
このほか東京オリンピックの関連企業への出資や老人ホームの入居権の購入など、今話題となっている出来事を悪用したり、証券会社や大手企業を名乗って勧誘したりするな
ど、次々と新たな手口が出てきていますので、十分ご注意ください。
不審に思ったときは、お金を払う前に消費生活相談窓口へ。
※レターパックや宅配便で現金を送付することはできません。
(7月掲載)
Q 昨日、インターネット検索中に、「今すぐダウンロードしなければ、パソコンがおかしくなる」というような内容の警告表示が出た。不安になったので表示をクリックし、セキュリティソフトをダウンロードして、約3000円をクレジットカードで決済した。その後も、「リスクがある」との画面が出てきて不審に思い、娘に相談すると「インターネット上で詐欺だと指摘されている」と言われた。どうしたらよいか。 (70代、男性)
A この事例のように、パソコンの画面上に「パソコンが脅威にさらされている」「ハードディスク内にエラーが見つかりました」など使用中のパソコンに問題があるかのような警告を突然表示し、消費者の不安をあおって必要のないセキュリティ対策ソフトを購入させる被害が相次いでいます。
中には大手のパソコンの会社に似せたマークが表示され、信用して手続きしてしまった事例や、ダウンロードした後、プログラムが正常に作動しなくなったなどの不具合が発生した事例もあります。
販売サイトは日本語での記載があり、一定の期間は返金等について日本語でのやりとりができることもあります。しかし、期間が過ぎると海外のソフトウエアの開発事業者と直接英語での交渉を余儀なくされることもあります。
この事例では、販売サイトのホームページを確認すると、ソフトには30日の返金保証がついていることが分かりました。相談者には早急にメールで返金の申し出をして、そのメールは保存しておくよう助言しました。併せてカード会社に事情を説明して請求を止めてもらえないか相談するよう伝えました。その後相談者から、カード会社が返金請求の手続きをしていること、カード番号を変更するとの報告がありました。
トラブルを避けるためには、パソコン画面に突然の警告表示が出ても、信頼できる表示かどうか分からない場合はクリックしないことです。カード番号の入力を求められたときは、料金請求があることを認識し、すぐに手続きせずに契約内容を十分確認しましょう。
カードで購入した場合、1回の金額自体は高額ではないのですが、自動更新となっていて翌年分もカード決済されたり、その情報を不正利用されたりするおそれがありますので、念のためカード番号を変更することをお勧めします。
トラブルに遭ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。
・ウイルスに感染することも・・・
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によると、基本ソフト(OS)やアプリケーションを最新状態にしていなかったり、ウイルス対策ソフトを導入していなかったりすると、偽のセキュリティ対策ソフト型のウイルスがまぎれこむこともあるとのこと。そのウイルスにより、プログラムが正常に作動しない、ファイルが見えなくなった、などのトラブルが発生するおそれがあるので注意を呼び掛けています。
IPAのホームページでは、被害に遭わないための対策や被害に遭ったときの対処方法を紹介しています。
IPA安心相談窓口は、☎03・5978・7509 ホームページhttp://www.ipa.go.jp/security/anshin/
(6月掲載)
Q 銀行の窓口で定期預金を申し込んだところ「定期預金より利回りがいい」と言われ、担当者に言われるままに書面に署名・押印した。数日後、自宅で医師の診察を受けたが、預金をするのになぜ診察が必要なのか疑問に思って医師に確認したところ、生命保険の申し込みに必要な審査だと教えられた。定期預金と思って契約したのに、一時払い終身保険だった。元本保証もないので、解約を希望しているが、できないと言われて困っている。 ( 80 代 女性)
A 保険商品の銀行窓口販売が解禁されたことで、特に高齢者がトラブルに遭うケースが多くなっています。保険業法施行令の一部改正により、銀行窓口販売で契約した場合でも、2007年6月以降に契約したほとんどの一時払い終身保険は、クーリング・オフが可能となっています。
この事例の場合は、クーリング・オフの期間が過ぎていましたが、勧誘方法の問題点を伝え、センターが間に入って事業者と解約交渉することは可能と助言しました。相談者が高齢で契約の経緯文を書くのは難しいため、知り合いの弁護士を通して交渉することになりました。
現在、多様な投資目的の保険商品が銀行で販売されていますが、消費者は保険とは思わず、預金と誤解したまま契約することも多く、預金なのか別の商品なのか注意が必要です。一時払い終身保険は「預金より利回りのよい商品」などと勧められるケースが多いようですが、元本保証がなく、中途解約をした場合、解約返戻金が一時払い保険料を下回ることもあり、慎重に検討することです。
交付された書面を確認し、契約の内容が理解できなければすぐに契約せず、家族とよく話し合い、勧められるまま署名・押印することのないように気をつけましょう。
トラブルに遭ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。
Q 数日前にテレビショッピングで高額なバッグを購入したが、風合いがイメージと違うので業者に電話で返品を申し入れたところ、「返品不可の商品なので応じられない」と断られた。テレビショッピングの放送の中で、返品不可の表示があったというが気づかなかった。返品はできないのか。 (40代 女性)
A 雑誌やテレビ、インターネットなどを見て、通信手段を利用し商品を購入する通信販売は、特定商取引法によるクーリング・オフの制度はありません。ただし、広告規制が設けられており、返品特約の有無と、返品期間や条件などを消費者に分かりやすく表示をするよう求められています。
返品について表示していなかった場合は、商品が到着してから8日間は送料消費者負担で返品できることになっています。返品については、原則表示内容に従うことになりますが、ガイドラインではテレビショッピングの場合、広告中において、口頭でも説明することが望ましいとされています。
相談者に以上のことを説明し、返品の有無について分かりづらかったのであればその旨伝え、対応を求めてみてはどうかと助言しました。
(5月掲載)
Q1 昨日の夕方、中古車販売店と中古車購入契約を交わした。自宅に戻ってから、注文した車は積雪寒冷地に向かないのではと考え、本日開店時間に合わせて販売店に出向き、解約を申し出た。担当者からは「注文書に記載してあるとおり、解約をするなら違約金として契約金額の1割を支払って」と言われた。支払うべきなのか。 (60代 男性)
Q2 インターネット広告を見て軽自動車を購入しようと思い、遠方なので電話で車の状態を確認した。クラッチやバンパーは新品に交換済みで、整備が必要な箇所はないと説明を受けたので、陸送代も含め55万円で契約し、全額振り込んだ。その後、車が届いたが、バンパーは明らかに新品ではなく塗り替えており、割れやさび、ブレーキオイルの漏れもあるなど、多数の不具合が見つかった。すぐに苦情を伝えたが取り合ってもらえなかった。「現状渡し、保証なし」と契約書には書かれてあるが、このまま使用するのは不安だ。解約か減額してほしい。 (20代 男性)
A 特定商取引法のクーリング・オフは、店舗販売や通信販売の場合適用されず、特に自動車については訪問販売の場合でも適用されません。解約などの主張をする場合は、契約の成立時期や契約時の説明内容がポイントとなります。
一般社団法人日本中古車販売協会連合会が作成する「標準約款」では契約の成立時期を「名義登録がなされた日」「車両の修理等に着手した日」「車両の引き渡しがなされた日」のいずれか早い日としています。
Q1の場合、相談者は翌朝すぐに店舗を訪れてキャンセルを申し出ているので修理等に着手しているとは考えられず、契約自体がまだ成立していないと思われます。標準約款では契約成立前に販売店に損害が生じた場合は通常生じる額(車庫証明申請の実費など)に限り、損害賠償を請求できる、とされています。相談者には契約成立時期や請求の内訳を確認するようアドバイスしました。
「現状渡し、保証なし」で販売された中古車に不具合があったとしても購入時に説明を受けていない場合、無償修理などの主張ができると考えられます。
Q2の場合、間違った説明を受け、部品を新品交換するとの約束も守られていなかったことを指摘して、約束の履行を求めることは可能であると相談者にはアドバイスしました。今回のような主張をできる場合でも事業者が応じないときは交渉が難航することも考えられます。
ほかに中古車に関しては、販売店の倒産、税金や保険、買取業者への売却時等のトラブルもあります。
トラブルに遭ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。
・しっかり確認、契約は慎重に
中古車の購入契約をするときは、整備内容や車両状態の確認、保証制度の有無など、下調べを万全に行いましょう。業界団体に入っている業者かどうかも目安になります。
注文書に署名・押印する前に、契約成立時期や解約の要件など契約条項もしっかり確認し、焦って契約しないことです。維持費も含め、支払い可能かもよく検討しましょう。
(4月掲載)
Q 2カ月前に引っ越したが、荷物を確認したところ、おもちゃなどを入れた箱が見当たらない。また、購入して3年の洗濯機にも傷を付けられた。使用に問題はないが、補償してもらえるのか。 (30代女性)
A 国土交通省では「標準引越運送約款」を作成しており、同約款では、荷物の紛失や破損については、荷物引き渡しから3カ月以内に通知しなければ事業者の責任は消失するとの規定があるので、すぐに口頭だけではなく書面でも通知するよう助言しました。
洗濯機の傷については、約款では紛失や破損の場合、直接生じた損害を賠償するため修理が原則となり、賠償金の場合は、経年劣化等を考慮した金額となることを情報提供し、事業者と話し合うよう助言しました。
このほか約款では、事業者は見積り時に約款を提示することが義務づけられています。また、運賃や料金、サービスの内容をわかりやすく記載した見積書を無料で発行する必要があります。現金や貴重品、壊れやすい物、変質や腐敗しやすいなど、運搬上特段の注意が必要な物については、消費者によく説明し、申告を求めることになっています。消費者が申告しなかった場合は、補償されない可能性もあります。
トラブルを避けるためには、複数の事業者から見積書を取りましょう。なお、約款やクレーム対応等の講習を受けた引越管理者が在籍する事業所を、公益社団法人北海道トラック協会のホームページで検索できますので参考にしてください。
今年は4月からの消費税増税の影響で3月下旬に引っ越しが集中したようです。トラブルに遭ったら、最寄りの消費生活相談窓口へ。
Q 数日前に亡くなった父あてに、パワーストーンとその請求書が普通郵便で届いた。2aほどのビニール袋に3〜8_程度の石粒が18個入っていた。請求書には「パワーストーンを購入していただき、ありがとうございます」とあるが、父は数カ月間入院しており、注文できる状態ではなかった。1週間以内に3980円を振り込むよう記載されているが、会社の電話番号の記載はなく、不審だ。どうしたらよいか。 (70代 女性)
A 当事者が亡くなっており、事業者の電話番号が不明なこともあって、申し込みをしたかどうかの確認ができません。当事者が入院していて注文できる状態になかったことや、死亡広告の掲載直後に届いたことなどから推察すると、個人情報を悪用している可能性が高いと思われます。
また、請求書に記載された振込先が個人名の銀行口座になっているなどの不審点もあるため、事業者から請求の根拠が示されるまでは支払わず、このまま無視して様子を見るよう伝えました。
特定商取引法では、契約に基づかず消費者に一方的に商品を送りつけ、代金を請求する方法を「ネガティブオプション」として規制しており、商品が送りつけられてから一定期間保管すれば、事業者は商品の返還を請求できないとしています。
届いた請求書の内容について不審な点がある場合は、安易に支払わず事業者に連絡する前に消費生活相談窓口や警察に相談しましょう。
(3月掲載)
Q 「インターネットの利用料金が安くなる」と言われ、プロバイダの乗り換えを勧められた。安くなるならよいと思い、よくわからないまま事業者が遠隔操作〞でパソコンを設定した。後日、以前よりプロバイダ料金が高額になることが分かったので、解約を申し出たところ、違約金として2万円も請求された。違約金がかかることなどは説明されておらず、納得いかない。 (20代 女性)
A 相談者は契約内容や利用料金、解約条件等についての具体的な説明を受けた覚えはないとのことでした。また、勧誘したのはプロバイダではなく、代理店であることがわかりました。
センターから契約先であるプロバイダに連絡を取り、実際には安くならないことや、契約内容について説明不足があること、代理店の勧誘に問題があることなどを伝えて交渉したところ、解約料については説明不足があったことを認め、無条件で解約となりました。
この事例は解約に応じた例ですが、事業者が「契約内容について十分説明し、録音もある」「パソコンの画面上で契約条件などを提示して同意を得ている」などと主張し、交渉に応じないこともあります。
※遠隔操作…インターネットを使って、自分のパソコンの画面を離れた場所にいる事業者のパソコンに表示して、事業者が操作して設定すること
・クーリング・オフはできません!
最近、この事例のようにプロバイダの乗り換えを勧められ、よく分からないまま、事業者の遠隔操作によって契約し、トラブルにつながるケースが増えており、独立行政法人国民生活センターから注意喚起が出されています。
消費者の中には、事業者から書面が送られてきて、それを返送してから契約成立になると思っている人もいるようですが、「申し込みとそれに対する承諾」があれば口頭でも成立するため、電話で承諾すれば契約が成立します。
プロバイダ契約については、電気通信事業法で規制されており、事業者は契約時に料金やサービス提供条件について、消費者に説明することが義務づけられています。しかし、特定商取引法が適用されないため、法的なクーリング・オフ制度はありません。
また、大手電話会社を名乗って信用させたり、ウイルス対策やサポート料金等のオプション契約をさせられたりして、最終的に料金が以前よりも高額になるトラブルもあります。現在の利用状況を調べた上で、変更する必要があるかどうかを検討し、必要がなければきっぱり断りましょう。
事業者に自分のパソコンの遠隔操作をさせるということは、自分のパソコン内にある情報を知られたり、情報が外部に漏れたりするなど、危険性もありますので、注意が必要です。トラブルに遭ったら最寄りの消費生活相談窓口へ。
(2月掲載)
Q 3カ月ほど前、「布団を購入した人に収納ケースをサービスしている。布団を見せてほしい」と事業者が訪問してきた。1年ほど前に別の事業者から購入した羽毛布団を見せたところ「羽が出ているので直さないとだめだ」と言われた。修理のため布団を渡し、納品のときに現金31万円を支払った。今になって契約書面を見ると新しい布団を購入する契約になっており、話が違うので契約解除できないか。また、訪問販売お断りのステッカーを貼っているのに業者が来て困っている。 (70代 女性)
A 特定商取引法の訪問販売では、勧誘に先立ち、販売目的を告げることや、法律で決められた事項を記載した契約書面の交付義務、不当な勧誘行為や過量販売の禁止などが規定されています。
また、北海道消費生活条例では、訪問販売お断りのステッカーなどを貼って意思表示をしている家に訪問販売することを不当な取引方法として禁止しています。
今回の事例では、受け取った書面で契約した商品やサービスの特定ができないので、書面不備によるクーリング・オフが主張できると考えられます。当センターから事業者に連絡して確認したところ、書面に記載はないがリフォーム契約で間違いないとのことなので、書面不備によりクーリング・オフする意向を伝え、事業者の承諾を得ました。クーリング・オフと今後の勧誘を希望しないことを書面で通知し、解決しました。
ほかにも一度契約した消費者を狙って次々と布団などを販売する次々販売や、「ほかの訪問販売事業者の勧誘を止める」「一生、布団の保証をする」などと言って、高額な手数料を請求されたなどの相談も寄せられています。過去に契約したことがある人は特に注意が必要です。トラブルに遭ったら、最寄りの消費生活センターへ。
(2月掲載)
Q 6年ほど住んだ賃貸アパートを退去した。その後、管理会社からの請求書を見ると、清掃費に加え、たばこのヤニ汚れや焦げ付きによるクロスやクッションフロアの全面張り替え、網戸の交換、子どもが穴を開けた押し入れのドアの交換など、総額50万円となっていた。清掃費は契約書に退去時に請求すると書かれていたので仕方ないが、そのほかの費用は高額で納得いかない。 (20代 男性)
A 国土交通省が定めた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、網戸の張り替えについては、入居者の入れ替わりによる物件の維持管理上の問題であるとされ、ハウスクリーニングについては、通常の清掃を実施している場合には次の入居者確保のためのものとされ、どちらも貸主負担と考えられています。
この事例のように借主の故意・過失での破損の場合、修繕費は借主負担と考えられていますが、ガイドラインでは、経過年数を考慮し負担割合を減少するとしています。クロスやクッションフロアの耐用年数は6年で、6年間入居しているのであれば残存価値は1円と考えられます。ただし、契約書に特約が明記され、説明を受けている場合は一方的に拒否するのは難しくなります。相談者には以上を踏まえ、管理会社と話し合ってはどうかと伝えました。
(1月掲載)
Q 一人暮らしの79歳の母宅の郵便受けに「来月から新聞が入ります」とお知らせが入っていたので販売店に問い合わせたところ、2年ほど前に契約し、半年間の契約だという。母は入院しており、契約たこともよく覚えていないというので、販売店に認知症の症状も出ていることなど事情を説明し、解約を求めた。販売店からは、すでに米6`とタオルを景品として渡していて、解約はできないと言われ、困っている。どうしたらよいか。 (50代 女性))
A 訪問販売で新聞の契約をした場合、特定商取引法の規制を受けますが、契約書面を受け取っており、クーリング・オフ期間も過ぎているので一方的な解約は難しく、解約するには事業者との交渉が必要です。
当センターで販売店と交渉し、当事者の病気による解約は合理的な理由であることや、認知症の高齢者に2年も先の契約をさせていること、さらに景品についても、新聞契約に伴う景品は6カ月分の購読料の8%以下に制限されており、これらに違反する不当景品の提供を行っていることなどの問題点を指摘したところ、解約になり、景品を返して解決しました。
このように何年か先に購読が始まる契約をさせ、契約者が購読期間中に入院などの理由で解約を申し出ても中途解約を認めなかったり、解約料を請求されたりするなど、トラブルになることがあります。中には10年以上先まで契約をしていたケースもあります。独立行政法人国民生活センターは、問題点を指摘して業界団体に対応を求めています。
不要なら“きっぱり” 断って!
新聞の訪問販売に関する相談はなかなか減りません。特に次のことに注意しましょう。
・不用意にドアを開けない
引っ越しのあいさつです」など、新聞の勧誘であることを告げずに販売員が訪ねてくるケースがあります。訪問者が誰なのかを確認してから対応し、購読の意思がなければドアを開けないことです。また、勧誘を受けても、販売員の「いつでも解約できる」などのセールストークだけを信用してすぐ契約せず、不要なら断りましょう。
・契約期間などの確認を
契約書にサインする際は、購読開始時期と購読期間を確認し、終了まで購読できるかを慎重に考え、書面の内容もよく確認し、契約書の控えはとっておきましょう。
・高額な景品は受け取らない
新聞の公正競争規約では、新聞契約に伴う景品には上限があり、取引の価格の8%、または6カ月分の購読料の8%のいずれか低い金額(通常、最高で2000円程度)となっています。しかし、この額を超えるテレビや掃除機などを渡されることもあります。契約者が規約の範囲を超える景品を受け取っても罰則はありませんが、解約の際に景品はトラブルの原因になりますので、ご注意ください。
トラブルに遭ったら最寄りの消費生活センターへ。