磁気活水装置を勧められ契約 〜前に契約した業者と思ったら

12月掲載)

 

Q,電話で「浄水器の点検にいきたい」というので、取り付けている浄水器の事業者だと思い、訪問を了解した。事業者は浄水器の蛇口をいじり、サビが出ていると説明。築25年の住宅で、水道管のサビが気になっていたので心配になった。「水道管を取り替えると80万円もかかるが、それだけでは水はきれいにならない」と言われ、磁気活水装置を勧めてきた。29万円と高く、今は買えないと断ると、ローンを組めばよいと言われた。保証人の欄があり、二世帯住宅に住む息子は外出中なのでと告げたが、私の字でよいと言われ記入した。

  一か月位経ってから、浄水器が不調なので元の事業者に電話したところ、全くの別業者と契約したことが分かった。だまされたと思うので解約したい。

 

A,いわゆる点検商法の一種で、最近類似の相談が多く寄せられています。

  訪問販売で契約した場合、契約書を受け取って8日以内ならクーリング・オフができます。また、訪問販売業者が契約に関する重要な事項についてウソを言ったり故意に告げないことも禁止されています。これらの禁止行為があった場合にも、消費者は契約を取り消すことができます。

  この契約書を確認すると、商品の支払いについては、販売店が持参した消費者金融会社の書面に記入し、金銭消費貸借契約を締結していました。販売店に確認したところ、代理店受領委任状により、商品額と同額の融資額が金融会社から販売店に直接振り込まれていました。

  センターから販売店に対し、販売方法の問題点を指摘した結果、無条件解約に応じるとの回答がありました。後日、商品の返品と、既払い金の返金、金融会社への完済を確認し、相談を終了しました。

  今回の事例は磁気活水装置でしたが、点検商法では、ふとんや住宅リフォームの相談も寄せられています。社名や販売目的を告げずに、その場ですぐ契約をせまる事業者は要注意。

 

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自営業者がターゲット 〜えっ!? 電話帳がなくなる!?〜

12月掲載)

 

Q,突然、電話があり「契約している電話会社の職業別電話帳が廃止になり、ネット検索になる。現在支払っている電話の基本料金のうち千円弱が電話帳掲載料だ」と説明があった。

  後日販売員が来訪し「来年からインターネット電話帳に切り替わるので、同料金でネットへの掲載が可能」といわれ契約した。不審に思い電話会社に問い合わせてみると電話帳は廃止されずウソだとわかった。解約したい。

 

A,今年6月頃より、自営業者をターゲットにした、訪問販売によるインターネットへの広告(電話帳)掲載についての苦情相談が、道内各地から寄せられています。相談者のほとんどは飲食店やクリーニング店などの自営業者であり、事例は都市部ではなく主に地方で発生しています。

  今回の事例では、申し込んでからすぐに解約を申し出て、了承されました。

  他の事例においても「電話帳がなくなる」、「電話帳は本からインターネットに切り替わる」などウソの説明がみられます。電話帳がなくなることはありまは無関係です。少しでも不審に思った場合は、すぐに契約せず電話会社に確認しましょう。

  なお、営業のための事業者間契約では、消費者保護を趣旨とする特定商取引法のクーリング・オフ制度や消費者契約法などは適用されませんので、十分ご注意下さい。

 

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プレゼントに応募 半年後、突然呼び出しが!高額な宝石を契約

11月掲載)

 

Q,半年前大型スーパーに置いてあったパンフレットを見て、懸賞に応募した。その後事業者より突然「懸賞には外れたが、応募者全員にプレゼントがあるので店に取りに来てほしい」と連絡があった。

  郵送を希望したが、来店を要請され、店に行くとプレゼントだけもらうつもりが、長い時間説得されて高額なアクセサリーの契約をしてしまった。何度も断ったのに帰らせてもらえず、学生で支払いも大変だ。自分で納得して契約したものではないので解約したい。

 

A, 相談者は20歳の大学生。懸賞に応募した当時は19歳でした。

  アクセサリーの契約後、解約を申し出たい気持ちはありましたが、販売員に食事をごちそうになり、ファンである歌手のポスターをもらうなどしたため自ら書いた契約書に気持ちが縛られて、悩んでいたそうです。

  詳しく話を聞いたところ、いくつか問題点がありました。

  相談者は夕方5時頃店を訪れた際に「これから予定があるので早く帰りたい」と伝え、40万円という販売価格や商品の説明を始める販売員に「高いので即断できない」「絶対にムリです」と何度も断る意志を伝えていましたが、「頭金を多めにいれれば月々の支払いは楽になる」「他のお客さんも学生が多い」などと言って帰そうとしなかったそうです。

  また、何度も断っているにもかかわらず帰してもらえないので、購入するしかないと思い、あきらめて契約書に記入していると、年収欄にアルバイトの収入である60万円と書いていたものを、その前に「1」をたして「160」万円とするよう指示されていました。最終的に帰宅の途についたのは11時をまわっていました。

  当センターが斡旋に入り、まず相談者に契約当時の詳しい経緯に付いてまとめ、販売店に文書で解約を申し出ること、信販会社には支払い停止を申し出るよう助言しました。

  販売店は、20歳になったばかりの収入の少ない学生に高額な商品を長時間にわたり勧誘したことなどを認め、契約から3ヶ月を経過していましたが、無条件での解約に応じ、すでに支払ってしまったお金も相談者に戻りました。

  このように「景品が当たった」などと、販売目的(ここではアクセサリーの売買契約についての勧誘)を隠し、電話やはがきで営業所などに呼び出し、商品やサービスを契約させる商法を「アポイントメントセールス」と呼んでいます。

  アポイントメントセールスで契約した場合、「特定商取引に関する法律」の訪問販売に該当し、クーリング・オフが可能です。契約を解除したい場合は、契約書面を渡されてから8日以内なら消費者の負担がなく無条件で解約できます。

  景品を渡すなどの話に惑わされてしまうと思わぬ被害にあうことも考えられます。万が一、不本意な契約をさせられてしまった、クーリング・オフの仕方が分からない、といった場合は一人で悩まず一日も早く相談してください。

 

20歳になると勧誘が

 今回の事例では、歳の時に懸賞に応募して、半年も経ってから勧誘され、契約にいたっています。
 未成年者契約の場合、原則として親権者など法定代理人の同意が必要であり、同意がないとその契約は取り消すことができます。
  成人になると単独で契約を結ぶことができるようになるため、20歳になったとたんに勧誘されるケースが多くあります。見知らぬ会社からの誘いには十分注意しましょう。

 

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電話勧誘で二次被害 〜はっきり断わり、電話を切ること〜

10月掲載)

 

Q,10年前に行政書士講座の契約をし、それ以降何度も更新や、別の講座を受ける必要があると言う電話を受け、3、4回契約をした。その都度、クーリング・オフをしていたので、被害はなかった。今回も職場にしつこく電話があり、「終身特別会員への登録を行えば、一生涯さまざまな勧誘電話が入った場合こちらで対応する。」と言われた。届いた書類を確認すると、高額な印鑑の申込書だった。どう対処すればよいのだろうか。

 

A,過去に契約をしたことがある人が再び被害にあうケースを「二次被害」といいます。電話勧誘に関する相談は、会社員など勤務先での断りにくい状況につけこまれて、執拗な勧誘を受けているケースが多いのが特徴です。

  今回の事例は特定商取引法の電話勧誘販売に該当し、勧誘時に事実と異なる説明をすることは禁止されています。また断っているのに勧誘を続けることや、いったん切った電話に再びかけて勧誘することも禁止です。

  このような勧誘があった場合、長く話を聞かず「契約しません」とはっきり断って電話を切ることです。今回の事例では事業者の説明に対し消費者は同意しておらず、一方的に書類が送られてきただけですので、契約に至っているとは考えられません。しかし後日のトラブルを避けるために、契約は成立していないこと、もし成立しているとするならば、クーリング・オフすること、併せて今後、一切の勧誘を断る旨を書面にて配達記録郵便で通知するように助言しました。断り切れずに承諾した場合はすぐに、クーリング・オフの手続きを。

 

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SMSで請求メールが 〜架空請求にご注意!!〜

10月掲載)

 

Q,携帯電話に、利用した覚えのない有料サイト料金について請求するメールが、ショートメッセージサービス(以下SMS)を利用して届いた。メールの文面によれば、サイトの登録料金が発生しており、このまま放置すると身元調査を行い、回収業者が、取り立てにくることもあるという。連絡先に電話した方がよいだろうか。

 

A,覚えのない利用料は支払う必要はありません。こちらから連絡は取らず無視するように助言しました。SMSとは、通常の電子メールとは異なり、電話番号宛てにメールを送信できる機能のことです。原則同じ携帯電話会社の利用者間で送受信が可能です。

  携帯電話各社ではSMSを利用して届く迷惑メールの受信を拒否する機能や、届いた迷惑メールの申し出先を設けています。自分の携帯電話の利用方法にあったものを確認し利用しましょう。

  未成年者などが携帯電話を利用し、有料サイトのトラブルに巻き込まれるなどの相談も窓口によせられています。家族で、携帯電話の利用法や、不当・架空請求の対処方法について話し合ってみては。

 

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事業者名での契約 訪販での電話機リース 〜特商法で消費者として救済〜

9月掲載)

 

 個人事業主などから、訪問販売による電話機などのリースにかかわる苦情相談が全国的に多くよせられています。
 訪問販売でのトラブルが多発していることから、平成17年12月に経済産業省は「特定商取引に関する法律」(以下特商法)の通達の改正をおこない、事業者名での契約であっても、主として家庭用・個人用に使用する目的であれば、消費者として同法による救済が受けられることが明確にされています。
  被害救済を目的として、当センターと札幌弁護士会消費者保護委員会は共同で「電話機リース110番」を7月7日に実施、当日は31件の相談がよせられ、うちリース電話に関するものは28件ありました。事例の一つを紹介します。

 

Q,訪問してきた事業者に「デジタル回線になったときにこの電話機が必要」と言われ、一度は断ったが、同日再度来訪し「どうしてもこの電話機が必要だ」「近所でも順次交換している」と言われ電話機のリース契約をした。その際事業者の指示で農園の名前で契約書に署名した。その後リース料が高額なので販売店に解約を申し出たが、電話機が設置されているのでやめられないと断られた。解約したい。

 

A,当センターでは相談者からの聴き取りの結果[1]電話回線の加入契約が個人


契約書の契約者名に、普段つかわない事業者名を書くよう販売店が指示した
リース料を一部税務処理上の経費扱いにしているが、事業用としてよりも主に家庭用として使われている、等の状況から、消費者契約と判断して特商法の適用を検討しました。
  相談者の契約書面を確認すると、訪問販売の場合に必要であるクーリング・オフについての記載がありませんでした。そこで、契約してから1年半ほど経過していましたが契約当時の経緯についてまとめ、文書でリース会社、販売店に解約を申し出るよう助言しました。販売店はクーリング・オフについて認めませんでしたが、上記の問題点を指摘したところ、当センターの主張を認め解約に応じ、支払ったリース料は全額返金されることになりました。
  今回の場合は、使用実態等から消費者の契約と考えられたため解決しましたが、営業のために事業用として契約した場合は、消費者保護を趣旨とする特商法のクーリング・オフは適用されませんのでご注意下さい。

 

電話リース被害札幌弁護団

「電話機リース110番」の実施後、札幌弁護士会消費者保護委員会に所属する弁護士を中心として、被害者救済を目的に弁護団が結成されました。
    団長:中村誠也弁護士
    事務局:小林由紀弁護士
    連絡先:011(280)1121

つぎつぎ・クレジット被害対策弁護団

次々販売などによる被害が急増していることを背景として、悪質加盟店の責任や信販会社の加盟店管理、過剰与信の責任を問い、あわせて被害者の具体的な救済や問題解決のため、札幌弁護士会所属の弁護士によって昨年結成されました。
    団長:中村誠也弁護士
    事務局:猪野亨弁護士
    連絡先:011(272)9555

 

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エステ店の「無料モニター」に応募 〜えっ、解約は有料なの?〜

8月掲載)

 

Q,エステの「無料モニター募集」の折込広告をみてサロンに行った。本来は70万円する半年間の痩身コースが無料だと言われた。その際、「あなたはリバウンドする体質なので、モニター終了後、もう半年間サービスを受けなさい」と勧められた。しかたなくモニター契約とセットで無料期間後の半年間分のエステとダイエット用ジュース一本合計35万円の契約をした。しかし、ダイエット関連の商品を次々に勧められるので不審に思い、12回通った時点で解約を申し出たところ22万円請求された。無料期間中なのに納得できない。

 

A,事業者は「半年間無料」と言っていますが、そのあとの有料サービスを受けさせるための手段だと思われます。

  センターは、事業者に対し、解約のための精算金22万円の明細と、リバウンドするという根拠の説明を求めました。さらに、施術を受けた12回分についても、モニター契約期間中の施術であり、無料で精算することを求めました。その結果、事業者はセンターの主張を認め、相談者が飲んだジュースの代金のみ支払うことで解決しました。

  エステや語学教室など6業種は、特定商取引法で「特定継続的役務提供」に指定され、消費者に中途解約する権利を認めています。また、中途解約で前払金の精算をする場合は、契約時の単価を用いることになっています。

 

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家庭教師の派遣会社が倒産 〜学習教材の支払いは?〜

8月掲載)

 

Q,子供の家庭教師の派遣業者が倒産し、サービスを受けられなくなった。派遣契約を結んだ際、「指導に教材が必要だ」といわれ、小学校4年から6年までの教材をクレジットで購入している。信販会社への支払いがまだ残っているが、どうしたらよいか。

 

A,相談者は家庭教師の契約をする際に、教材はクレジット契約をしていました。事業者から「指導に必要」と言われて契約した教材は「家庭教師」の関連商品に該当します。家庭教師は特定継続的役務提供に該当し、関連商品も中途解約できます。そこでセンターは、役務の提供(家庭教師)が受けられなくなり、教材は必要なので解約する、今後の支払いを拒否する旨の「抗弁書」を提出することを相談者に助言しました。

  クレジット契約では、契約不履行や取り消しの原因が事業者にあった場合、消費者は信販会社に対して「支払い停止の抗弁」といって代金の支払いを拒否して、その上で解決に向けての話し合いができます。

  語学教室、エステ、家庭教師などの役務契約は期待したサービスと異なる場合や、消費者側の都合で継続できないこともあります。長期にわたる契約は慎重に。

 

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高齢者をねらい、電話で勧誘 〜契約の認識なく「はい」〜

7月掲載)

 

Q,高齢で認知症気味の義母に健康食品が届き、試供品だと思って2粒ほど飲んでいた。健康食品には、5日前の日付がある契約書面と約2万5千円の請求書、郵便振替用紙が同封されていた。義母は、読み書きがほとんどできなくなっており、契約をしたという認識がない。どうしたらよいだろうか。

 

A,契約までの経緯がよくわからないため、ご家族の協力で聴き取りを進めました。その結果、「電話で勧誘された」「健康食品を開けて飲んでみて、と言われた」ことがわかりました。また、販売員の「飲んでみて」の勧誘を「試してみて」と言われたと思い、試供品として飲んだようです。

  これは「電話勧誘販売」といわれ、電話で商品やサービスの契約を勧め、承諾すると数日後に郵便等で契約条件を記載した書面を送ってくるものです。特定商取引法により消費者はクーリング・オフできますが、政令で指定された消耗品は開封したり使用すると、その分はクーリング・オフできないとされています。

  当センターは、書面でクーリング・オフを申し出るように伝えました。しかし、事業者は開封した分はクーリング・オフできないと回答してきました。これに対して当センターは、販売員が電話で開封を誘導したと思われること、消費者の意思能力に問題があることなどを指摘した結果、事業者は開封分もふくめてクーリング・オフに応じました。

  一般的に、契約者の意思能力が著しく劣っている場合の契約は無効と考えられますが、意思能力のなかったことを後で立証するのは容易ではありません。今回は、代金を振り込む前にご家族が気づき、すぐに相談窓口に相談したことが解決を早めました。なお、ご家族には、判断力の衰えた人を契約トラブルから守る「成年後見制度」を紹介しました。

 

個人の事情調べて電話? あやしい電話はき然と断る

 60歳以上の高年層をねらった「電話勧誘販売」の相談は、過去6年間で3倍以上に増えています。(国民生活センター調べ)
  ある70歳の女性は、電話で「キノコのお茶を飲むと腰の痛みがやわらぐ」と勧められ、4千800円なら、と契約。届いた商品を飲み始めた頃「飲んでいますか?」と再び電話。ハイと答えると「そのお茶は10万円する」と言われ、始めて契約書をよく見たと言います。
  事業者は、ある程度個人の事情を調べて電話をかけていると思われるケースがあります。一方、消費者は不意打ち的な電話勧誘を受け、相手がよくわからず、即決を求められます。さらに、どんな契約をしたのか商品が届くまでわからないこともあります。
  電話勧誘の対策は説明をうのみにしない[1]しつこい勧誘は毅然と断り電話を切る


「しまった」と思ったら、すぐ消費生活センターへ。

 

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英会話教室を中途解約したい 〜清算は契約時の単価で〜

6月掲載)

 

Q,最近、英会話教室の中途解約について、最高裁が「割高清算は無効」の判決を下したという記事を見た。実際はどうなるのか。英会話教室を中途解約したいと思っているので関心がある。

 

A,英会話教室のような契約は、実際に受けてみなければ期待した内容かわからず、途中で続けられなくなることもあります。このため特定商取引法は、語学教室など6業種を「特定継続的役務提供」に指定し、クーリング・オフと中途解約権を認めています。中途解約で前払いした授業料を清算する場合は「契約時の単価を用いることが原則」とされていました。ところが実際には「大量購入により割安に設定された契約時のレッスン単価よりも割高な単価でレッスン料を計算され、返金額が少ない」という苦情が多く発生していました。

  裁判ではこの点が争われていたもので、最高裁は今年4月3日「契約時より高額な単価を用いる中途解約の清算は無効」と判決を下しました。これを受けて経済産業省は4月12日「中途解約の清算に用いる単価は契約締結時の単価を上限とする」と解釈を明確にした通達の改正を行いました。今後は、たとえ契約書に消費者に不利な清算規定があっても、無効になります。

  なお「継続的役務提供」の6業種とは、いわゆる語学教室、エステティックサロン、学習塾、家庭教師派遣、パソコン教室、結婚相手紹介サービスです。

 

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姓名判断受けに訪ねたのに・・・ 〜「大凶」といわれ印鑑購入〜

6月掲載)

 

Q,5日前、姓名判断をしてもらうため電話帳で調べて、アパートの一室を訪ねた。占いの結果「大凶だ」と言われ、印鑑を購入してしまった。印鑑を購入するつもりはなかった。クーリング・オフできるだろうか。

 

A,相談者がアパートを訪ねたのは、姓名判断を受けるためで、印鑑を購入することが目的ではなかったため、特定商取引法の訪問販売に該当し、クーリング・オフができます。相談室の助言に従って相談者はクーリング・オフを書面で申し出ました。

  しかし事業者は「消費者は自分の意思でアパートを訪ねてきたのだから訪問販売ではなく、特定商取引法によるクーリング・オフは適用されない」と主張、聞き入れませんでした。相談室は、納得できないのであれば同法を所管する経済産業省、もしくは道の担当課の見解を聞くよう伝えました。その結果、事業者はクーリング・オフを認め、解約に応じました。

  なお、特定商取引法で訪問販売は「指定商品制」をとっており、政令で指定された商品やサービスが規制の対象です。現在は易断後に行われる助言などのサービスは規制の対象外です。しかし、占いを行った後に消費者の不安をあおり祈祷などの高額な契約を締結するトラブルが増えていることから、経済産業省は易断を受けて行う助言等についても、指定役務に追加することを検討しています。

 

裁判手続を悪用した架空請求にご注意

 最近、裁判所からの通知を装った架空請求がみられます。裁判所の手続きが本当の場合、身に覚えがなくても放置すると、強制執行などの不利益を被る恐れがあります。

  そのため、裁判所から届いた通知が、本当に裁判所の通知か確かめることが必要です。その際、通知にある裁判所の連絡先がウソの可能性もあるので、すぐ連絡せず、電話帳や消費生活センターで確認しましょう。

  本当に裁判所の通知であった場合には、弁護士や消費生活センターにご相談を。ウソであった場合は、放置しておきましょう。不安の時は消費生活センターにご相談を。

  なお、裁判所の通知は「特別送達」と記載された封書で、原則郵便職員による手渡しです。ハガキで配達されることはありません。

 

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強引な新聞の勧誘 〜クーリング・オフできる〜

5月掲載)

 

Q,3日前、「お届け物です」とインターホン越しに言われたため、宅配便だと思ってドアを開けたが、新聞の勧誘員だった。すかさず玄関に入り景品を取り出して勧誘を始めた。なかなか帰らないので、仕方なく6ヵ月間の契約をした。勧誘員は「景品です」といってビール券と洗剤を置いていった。購読したくて契約したのではないので、解約したい。

 

A,新聞は特定商取引法の指定商品に該当します。訪問販売で契約した場合は、契約書を受け取った日を含んで8日間は、クーリング・オフすることができます。相談者には、クーリング・オフの文面をハガキに書いてコピーをとり、契約書に記載された販売店あてに配達記録郵便で出すことを助言しました。また、置いていった「景品」は、返したほうがよいと話しました。

  転勤や進入学などで引越しが多い春は、新聞勧誘員が訪れることの多い季節です。中には今回の相談のように、勧誘目的を隠して来訪する悪質な勧誘員もいます。また、ビール券や洗剤などの景品攻勢で勧誘したり、「契約を取らなければクビになる」などと土下座するなど強引な勧誘も行われているようです。

  クーリング・オフ期間内に解約を申し出れば問題はありませんが、期間を過ぎてしまうと、一方的な解約は原則として認められず、双方の話し合いになり、違約金を請求されることもあるので注意が必要です。

  また、申し込んだ直後の購読契約でなく、1年後、2年後などずっと先の購読を「その時断ればよい」などと言って契約させることがあります。しかしその時になって断っても、正当な理由(転居、死亡など)がなければ、販売店は口約束を認めようとはしません。解約には違約金が必要だったり、景品の返還も求められたりします。「記事が読みにくい」「チラシが少ない」などの理由だけでは解約に応じないケースもあるので、契約は慎重にしたいものです。

  納得できない契約で販売店とトラブルになったときは、消費生活センターのほか新聞社の販売店担当部署、地区新聞公正取引協議会に相談しましょう。

 

上限額あっても 多い景品トラブル

 新聞購読の勧誘では、商品券などの景品が使われることが広く行われており、解約の際、景品の返還トラブルがおきることがあります。

  新聞公正取引協議会は公正な競争を保つため、上限額を「取引価格の8%か6ヵ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲」と規定しています。また、違反行為には違約金を課すなど必要な措置をとることができる、としています。

  新聞は、景品に惑わされずに契約したいものです。違反と思われる勧誘行為は、地区新聞公取協に申し入れましょう。

新聞購読契約の心得

景品につられての長期契約はトラブルのもと。購読紙の選択は、勧誘員よりも家族の意見に耳を傾けましょう。
契約書の控えは必ず受け取り、契約期間が終了するまで大切に保管しましょう。
訪問販売による新聞契約は、クーリング・オフすることができます。速やかに販売店に通知を。

 

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リフォーム業者が口座から引き落とし 〜判断力劣えた老父が契約〜

4月掲載)

 

Q,独り暮らしをしていた老父が老人保健施設に入ることになった。身の回りを整理していて、父の預金口座を確認するとリフォーム業者からの引き落しが始まっていることが発覚した。父は記憶力や判断力が衰え、契約の詳細を聞き出すことができないが、契約総額は200万円を超えるようだ。このままでは次々に引き落とされていくのではないか心配だ。どうしたらよいか。

 

A,相談者には、銀行に口座振替の停止を申し出ることと、業者に対して工事契約の確認及び工事の必要性について問いただすことを助言しました。また、短期間に次々契約をさせるなど勧誘方法が悪質なので、警察にも通報するように伝えました。その数日後、この業者(北日本ホームクリエイト)の営業員が特定商取引法違反及び詐欺未遂で逮捕されたことが報じられました。床下点検を装い、下水の汚水マスを故意に破損し、修理契約を結んで代金をだまし取ろうとした疑いです。

  その後、相談者から、弁護士に相談し、助言を受けることになったという報告がありました。相談所としても成り行きを見守っています。

  数年前、高齢者を狙ったリフォーム詐欺が相次いで発覚し、社会問題になりました。このためしばらくは沈静化していましたが、ほとぼりが冷めて、また暗躍する気配が見られます。特に北海道は、雪が消えるこれからが要注意です。

  なお、北海道は3月8日、高齢者を狙って床下リフォームの契約をさせていた「ライフケアコーポレーション」に対し、特定商取引法の違反行為があったとして6ヶ月間の業務一部停止を命じています。

 

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高収入のサイドビジネスを紹介 〜実はマルチ商法の勧誘〜

4月掲載)

 

Q,友人に「サイドビジネスを紹介 する」と言 われ、仕事が 終わったあと、紹介先に行った。ところが仕事とは、宝飾品を購入して会員になり、知人にも入会を勧めるものだった。やる気があれば高収入が約束されることを夜を徹して聞かされ、根負けして承諾してしまった。費用約40万円は、消費者金融から借りるように言われた。後で考えると、知人を何人も入会させる自信がないので解約したい。書面は、領収書以外にもらっていない。

 

A,相談者が勧誘されたのは(1)商品の販売やあっせんであること(2)知人を紹介し、入会すれば利益が得られると説明されていること(3)商品を購入しなければならないことなどから連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)であると思われます。

  連鎖販売取引は特定商取引法で、勧誘に先立ち、商品やサービスを購入しなければならないことを告げることを義務づけています。また、契約前に取引内容を示した書面(概要書面)を渡し、契約した場合は契約書面の交付を定めています。この業者はこれらのいずれも実行していないと考えられます。

  連鎖販売取引のクーリング・オフは、契約書面を受け取った日を含めて20日間ですが、書面を受け取っていない場合や書面に必要事項が記載されていない場合は、クーリング・オフ期間は継続します。相談者に以上のことを説明し、配達記録郵便でクーリング・オフの通知を出すように助言しました。春は、新しい出会いの季節です。例年、この時期は悪質なマルチ商法の業者も、職場やキャンパスに甘い言葉で触手を伸ばしています。新社会人や歳を迎える大学生は特にご注意下さい。

 

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「いいアルバイト」と言われて・・・・ 〜カードも借入金も渡す〜

3月掲載)

 

Q,大学の友人に「いいアルバイトがある。消費者金融の人が業績を上げるためカードをつくってくれる人を捜していて、ローンカードでお金を借りると手数料を1割もらえる。返済は、その人が責任を持ってしてくれる」と誘われた。4社でカードをつくり、合計150万円借りた。手数料として15万円を受取り、残り135万円とカードを友人を介して渡したが、約束通りに返済してくれない。

 

A,同様の相談が数件寄せられています。いずれもアルバイト感覚で数社のカードをつくり、引き出したお金をカードごと友人を通して中心人物に渡しています。

  相談者やその友人も、消費者金融に借金することの返済責任や、カードを他人に渡す怖さをよく理解していないようで、学生でありながら会社員と偽って契約をしていたり、契約書も持っていませんでした。また、友人も中心人物のことはよく知りませんでした。

  これは、アルバイトを騙る一種の詐欺と思われます。相談者には、たとえ詐欺だとしても、カードで自分が借りた分はもとよりカードを手にした中心人物が引き出していれば、その分も返済義務が生じると伝えました。その上で消費者金融にカードの利用停止を申し出る[1]警察に相談する


家族にも相談すべきである旨助言しました。また、返済困難の場合は、債務整理について法律相談を受けたほうがよいことも話しました。

 

財団法人と名乗るところからハガキで『裁判通知書』が届き、財産を預ければ裁判を回避できると言われ、全貯金を送金したら、架空請求だった!

 ハガキ記載の電話番号に連絡すると、「裁判所が現金と預貯金を差し押える」「当社に財産を預ければ裁判沙汰にならない。預かったお金はあとで返す」などといわれ、指示通り2300万円を送金したが、指定日までに返金されなかった
  公益法人を装って信用させ「訴訟、差押え、勤務先へ連絡」などと書いて不安に陥れ、問い合わせの電話をかけさせる架空請求の手口です。
  絶対に連絡してはいけません。しつこい請求のあるときは、警察に連絡しましょう。不安のあるときは、消費生活センターに連絡しましょう。(この情報は、内閣府の『見守り新鮮情報』第11号に掲載されています。)

 

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虚偽の説明をして 〜換気扇のフィルターを販売〜

2月掲載)

 

Q,アパートに入居して間もなく、業者が「管理会社の委託で台所換気扇の説明にきた」と来訪した。換気扇を見せると「この換気扇は専用のフィルターを使うことになっている」などと説明された。仕方なく業者の勧める専用フィルターを契約したが、「委託」は事実でなかった。すぐ電話で解約を申し出て承諾されたが、大丈夫か。
  (業者名ホームサービス)

 

A,道が改善指示

 この業者の苦情が、多数寄せられ て い ます。「換気扇フィルターを取りつけにきた」などと管理会社の委託を装って来訪。入居者に専用フィルターの購入義務があるかのように思いこませたり、「市販のフィルターでは汚れがたまって退去時にクリーニング代がかかる」などと業者のフィルターを購入することがトクであるかのように思わせて契約させていました。

 業者のフィルターは、設置さている換気扇の「専用」ではありませんでした。また、契約時に交付する書面にも、法律で規定された代表者名の記載がありませんでした。

 このため道は、業者の行為が不実告知(事実でないことを消費者に告げること)、勧誘目的の不明示、書面記載不備など特定商取引法に違反する行為と認定して、業務の改善指示を行いました。

 なお、相談者にはクーリング・オフは電話でなく、ハガキに書いてコピーをとり、配達記録郵便で出すように助言しました。

 

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ゲルマニウムに「効果」? 〜誤認与える医療用具の表示〜

1月掲載)

 

Q,地方在住の老父を訪ねると、ゲルマニウムを粘着布で患部に貼るハリ治療器を訪問販売で購入していた。パンフレットには「話題のゲルマニウム。たちどころにコリとイタミを緩和」とあり、腰の痛みがよくなると言われて買ったという。厚生労働省の医療用具製造承認番号もあった。父は、1個約1万円のゲルマニウム粒を販売員が20個も腰や背中に貼っていたが、効果がないという。解約したい。

 

A,医療用具製造承認番号から、ゲルマニウムの効能がパンフレットのうたい文句どおりか調べてみたところ、ゲルマニウムの効能・効果は認められていないことがわかりました。

  この承認番号は、肩コリや筋肉のコリに対する、貼付型ハリ治療器の突起部の指圧作用の効能・効果を承認しているもので、ゲルマニウムそのものの効能・効果を認めたものではありません。また、貼付型ハリ治療器には「イタミを緩和」の効能・効果は、認められていませんでした。従って、ゲルマニウムの特殊な作用で、コリだけでなく痛みも緩和するかの印象を与える当該商品のパンフレットは、薬事法に抵触するとともに消費者に誤認を与える表示といえます。

  販売方法にも問題がありました。まず、健康についてのアンケートを装って電話をかけ、腰痛であることを聞き出すと、「詳しく知りたいので訪問する」と強引に来訪。「あなたの体には20個は必要」と契約させた上、販売員が箱を開けて返品ができないと思わせていました。数日後、言われたような効果がないので、電話でクーリング・オフを申し出ましたが、無条件解約ができないかのような回答でした。

  当センターは業者に対して販売目的を隠しての勧誘[1]販売員の説明やパンフレットが薬事法に抵触していること[1]クーリング・オフ回避行為があること、などを指摘し無条件解約を求めました。その結果、業者は全面解約に応じました。なお、業者からはパンフレットの文言の修正を検討するとの説明がありました。

ブラックシリカトルマリンなど「承認」で消費者を眩惑

 ゲルマニウムの医療用具としての効能・効果は認められていませんがゲルマニウムの他にも厚生労働省の承認がないのに効能・効果をうたった商品が出回っています。特に訪問販売、展示会場やネット上で販売されている商品にそのような傾向が見られます。

 

クーリングオフは配達記録郵便で

 クーリング・オフをする場合は電話でなく、ハガキに書いて、配達記録付きで出しましょう。ハガキの裏と表をコピーして保管しましょう。クレジット契約をしているときは信販会社にもハガキを出しましょう。

 

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