タダほど高いものはない! 〜SF商法で高額ふとん〜

12月掲載)

 

Q,路上で「磁気サポーターをあげる」と声をかけられ「体によい話が聞ける」と近くの会場に誘われた。小物をたくさんもらっているうち「磁気が体にいい」と磁気ふとんを勧められた。体に当てると温まるような気がして、内金3万円を払ってダブルを約60万円で注文した。しかし、家族に反対され、クーリングオフの手続きをした。内金3万円も返してもらえるか。

 

A,この販売方法をSF商法とい、会場に客を集めて小物を無料で配るなどして興奮状態にさせ、最後に高額な商品を売りつけます。

  相談者は高齢で、腰痛に悩んでいました。「磁気ふとんで薬を減らせる」「今ならセット2百万円をシングル40万円に」などと勧め、口座番号の確認のため販売者が家までついてきました。家族が反対しても「本人に任せておきなさい」などと封じていました。翌日、家族の説得で解約を申し出ると、「ダブルは注文品だから、ほかに売れない。シングルの値段にする」などと再契約を勧めていました。

  相談窓口は事業者に、クーリング・オフによる無条件解約を求め、内金の返金を確認して終了としました。
  最近、地域からSF商法の苦情が寄せられています。被害をなくすため、住民に情報提供して注意を呼びかけている自治体もあります。「呼び込みをしている」「困っている人がいる」などの情報を役場に届けることも大切です。

 

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血液サラサラ? ブラックシリカ 〜未承認の効能うたう〜

12月掲載)

 

Q,新聞折り込み広告で「ブラックシリカ」を宣伝していた。強力な活性エネルギーを半永久的に放出することで、体にすばらしい効能があるようだが、信頼できるか

 

A,ブラックシリカは、黒鉛珪石といわれる天然鉱石です。業者は「血液をサラサラにする」ほか腰痛、生理痛、疲労回復、抜け毛などにも効果があるとして装飾品、入浴剤、浴用の鉱石などの商品として販売していました。

 しかし、商品の効能効果を説明したり表示するには、医薬部外品か医療用具の「承認」が必要です。また、承認された商品には承認番号を表示することになっています。厚生労働省に問い合わせたところ、ブラックシリカに対する医療用具の承認はなく、最近薬事法違反の疑いで逮捕された業者もいます。

 ブラックシリカ以外にも、トルマリンやラドン鉱石などの天然鉱石を商品化したものが販売されています。販売員がいかに様々な効果を説明しても、う呑みにせず、「承認番号」が表示してあるかを確認しましょう。また、自分に有効なものか医師に相談する慎重さも必要です。

 なお、広告には「その場で血液の流れを見ることができる」とありましたが、医師以外の者が他人の血流を測定し、異常である等の判定をすると、医師法に抵触するおそれがあります。

 

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男性エステの勧誘に注意 『有効期限短く高額』

11月掲載)

 

Q,路上で「アンケートに答えると体験エステができる」と声をかけられ、施術を受けた。そのとき「会員はエステシャンとの謝恩パーティに参加できる」などの特典を聞かされ、20万円コースの契約をした。その後、施術に通っているうち「特別会員になると宝石の無料プレゼントがある」「有効期限もない」などと説得され、100万円コースも契約してしまった。収入が不安定で支払いができない。中途解約したい。

 

A,最近、学生や定職のない若者から、男性用エステティック契約についての相談が増えています。「モデルにならないか」と誘われ「そのためには顔の手入れが必要」と美顔エステを次々に契約させられた人もいます。

  施術に通っているうちに次々と新しい契約をさせられ、契約総額が百万円〜2百万円にもなること、施術を受けることのできる有効期間が3〜6ヶ月間と短いことが特徴です。

  エステ契約は特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたり、クーリング・オフ期間が過ぎても中途解約できます。解約料の上限も定められています。しかし、最近の苦情例では、中途解約を申し出ても有効期限が切れていたり、短期間に回数を消化させられているため、業者から高額な施術済料金を請求されています。今回の相談者も、最初の契約はすでに有効期限が切れていました。

  当センターは事業者に対して、契約目的を隠した勧誘だったこと、施術の有効期限についての説明が不十分だったこと、相談者の収入が不安定で支払能力がとぼしいことを知りながら新たに契約をさせていたこと、などを主張しました。その結果、事業者は期限切れの契約を含めて法定の解約損料請求を放棄し、相談者はそれまでに受けた施術料を支払うことで中途解約となりました。

  エステ施術をすすめられても、本当にそれが必要であるか、熟考すべきです。必要だと思っても、契約の有効期間と契約金額を十分確認することが重要です。その場でさまざまな特典をあげて契約をせまる業者は、要注意です。無料プレゼントなども、契約させたあとに中途解約させないための手段と考えられます。

 

特定継続的役務提供 中途解約できる

 エステティックサービス、語学教室、学習塾、家庭教師派遣、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの6業種が対象です。
  店舗での契約を含め、契約書面受領後8日間はクーリング・オフできます。その後も理由を問わず役務提供を受けていない部分について中途解約できます。中途解約の違約金も、上限が定められています。

 

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「買わなくてもよい。見に来て」 〜高齢者ねらう宝飾品販売〜

10月掲載)

 

Q,電話で「買わなくてもよいから見に来てほしい」と誘われて、1日開催の宝飾品の展示会に行った。ところがしつこく購入を勧められ、指輪やネックレスなど数点を購入契約してしまった。
  クーリング・オフのはがきを出したところ「手続きのため事務所に来てください」と呼び出されて行くと、一つだけでも契約してほしいと説得され、結局引き取ることになった。解約したい。

 

A,最近、高齢者が展示会に呼び出されて宝飾品を契約させられたという相談が増えています。展示会の度に呼び出され、次々と衣類の契約をさせられた人もいます。

  相談者の場合、クーリング・オフ手続きをしていますから、再契約した場合、事業者は契約のための書面を新たに交付する義務があります。新書面が再交付されるまでクーリング・オフの権利は続いており、再交付日がクーリング・オフの起算日になります。相談者にはこの旨を説明して、クーリング・オフ手続きをとることを助言した結果、解約になりました。

  契約の際、解約しない旨の「同意書」に署名させられる例もありますが、このような同意書があってもクーリング・オフの権利が優先します。

  トラブルに巻き込まれて、ひとりで悩んでいる高齢者もいます。周囲の人が日頃から悪質商法の手口を話題にして、悩みを抱え込まないように気配りしましょう。

 

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「設置義務付けられました」 〜火災警報器の訪販に注意〜

10月掲載)

 

Q,消防法が改正され、各家庭で火災警報器を設置しなければならなくなった、と聞きました。「設置義務がある」と言って、火災警報器を訪問販売している業者もいるようですが、今すぐ火災警報器を設置しなければならないのでしょうか。

A,平成16年6月の消防法の改正により、市町村条例で定める基準に従い、戸建住宅や共同住宅などに住宅用防災機器(火災警報器)の設置が義務づけられました。基準は、自治体により異なりますが、札幌市の場合、新築・改築住宅は平成18年6月1日から、既存住宅は同20年6月1日から適用する予定です。

  従って、新築や改築及び既存の住宅については、あらかじめ各自治体に設置基準を問い合わせ、基準に従って取り付けましょう。

  かつては消防署員を装った悪質業者が消火器を販売したこともありましたが、火災警報器などの設置義務化で「消防署の方からきた」「今すぐ取り付けなければならない」などと戸別訪問することも予想されます。消防署員が販売行為をすることはありません。おかしい、と思ったら、最寄りの消防署や消費生活センター、市町村に連絡しましょう。

  なお、火災警報器などの防災機器はホームセンター等で販売しています。

 

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「羽毛ふとんに菌がー」 〜え! リフォームに100万円〜

9月掲載)

 

Q,以前、ふとんを購入したことのある勧誘員が「あいさつに」と訪ねてきた。「ふとんの干し方を教えてあげる」と上がり込み、押入の古い未使用の羽毛ふとん2枚を見つけて「古い羽毛は殺菌が不十分なので、このままでは菌で押し入れの物が全部だめになる。リフォームが必要」という。驚いて言われるままに4枚を契約したが、リフォームの総額が約100万円もすることがわかった。あとから考えると、菌の話も信用できない。「リフォームが終わった」と通知があったが、受け取り拒否して解約を求めているが、応じてくれない。

 

A,相談者は高齢で、クーリング・オフ期間も過ぎていました。
  勧誘員は、古い羽毛ふとんを「とてもいい品だ。今なら100万円はする」とほめたり、「このままでは新しいものまでだめになる」と不安にさせてリフォームの必要性を強調し、契約させていました。

  相談室では、販売業者に対して、勧誘員が「あいさつに」と言って、販売目的を告げずに訪問しており、根拠のない菌の汚染話で相談者を不安がらせていること、 リフォーム代も常識的な価格とかけ離れていること、などを主張して、対処を求めました。これに対して事業者からは、明確な説明がなく「無条件解約で処理する」と回答がありました。

  相談者は、ふとんには思い出があるとして、特定のふとんの返還を求めました。その結果、そのふとんは後日返還されました。

  悪質勧誘員は「あいさつだけ」「無料」「特別価格」などと油断させて近づき、ほめたり不安がらせたりして契約に持ち込みます。特に高齢者世帯が狙われます。おかしい、と思ったら、すぐ消費生活センターにご相談下さい。

 

もし悪質勧誘員が家に来たら

 勧誘目的を告げずに勧誘することは、法律で禁止しています。「おかしい」と思った時は、断る勇気をもちましょう。断っても退去せず、契約を迫られた時には「家族に聞いてから」「消費生活センターに相談する」と告げましょう。
  根負けして契約した時は、勧誘員がいなくなったらすぐ(夜間であれば翌日)役場や消費生活センターに相談しましょう。早いほど解決しやすいので、日頃から相談窓口の電話番号をメモしておきましょう。
  高齢者は、悪質事業者の標的になっています。強引に契約させられ、独りで悩んでいる方もいます。家にクレジット会社の手紙や契約書がたまっていないか、見知らぬ人が出入りしていないか、まわりの人の気配りが必要です。

 

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「ご近所の高齢者が困っているようだ」 〜早い通報で被害わずか〜

8月掲載)

 

Q,近所の独り住まいの高齢者が、訪問販売業者の勧めで、排水管工事とシロアリ対策工事をしていた。悩んでいる様子なので、相談にのってあげてほしい。

 

A,連絡を受けて、当事者から話を聞きました。

  10日前、自宅に業者が来て「庭のマンホールにネズミのふんがあった」と言う。出るとフタが開けられていて「排水も流れていない。台所を見せて」と家に上がり「排水管が壊れている。交換が必要」と言う。さらに「床下に白アリがいたので活性炭をまかないと大変なことになる」と言う。不安になり承諾すると、工事はその日に終わった。

  ところが、その日から台所で水漏れするので水道局の人に調べてもらったら、交換した排水管の継ぎ目から水漏れしていると言う。また、台所の排水管はマンホールに通じていない、ということでした。

  相談所では、近所の人の協力で、床下の写真を撮ってもらい、床下がシロアリ被害のなかったことを確認後、業者と話し合いを持ちました。相談所は、(1)配管工事が必要な根拠はなく、工事後に水漏れがした(2)シロアリ対策も不必要、と主張しました。この結果、契約金の1割の解約料を支払うことで解決しました。

  理不尽な契約であっても、代金の完済後やクーリング・オフ期間を過ると、解約交渉は難航します。今回は、近所の人が日頃から独り住まいの高齢者に気配りし、様子がおかしいことに気が付いたことが解決を早めました。

 

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遺族に「故人の借金返せ」 〜弁護士も公正証書もニセ物〜

8月掲載)

 

Q,今月、父が亡くなった。遺族あてに、代理人を名乗る弁護士から「通知書」が届いた。内容は「依頼人は故人と金銭消費貸借契約を交わして100万円を貸しており、公正証書も作成している。遺産相続人は依頼人に返済義務があり、1週間以内に指定の口座に振り込まなければ強制執行する」というものです。公証人の署名捺印がある公正証書の写しも同封されていた。しかし母は、生前父からそのような借金の話をまったく聞いていなかったという。どう対処したらよいか。

 

A,通知書をよく見ると、代理人の弁護士の住所が封筒の弁護士事務所の住所とちがいます。また、依頼人の捺印もありません。

  そこで、弁護士会に問い合わせたところ、同名の弁護士は実在していますが、住所・電話番号が違っていました。また、署名捺印していた公証人も実在していますが、公正証書の番号は偽物であることが判明しました。新聞等の死亡欄などを悪用したと思われる新手の架空請求です。

  腑に落ちない請求通知を受け取った場合は、直接差出人に問い合わせず、相談窓口に対処法をたずねてください。直接聞くと、相手の術中に陥るおそれがあります。なお、相談者には、警察に情報提供するよう伝えました。

 

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気をつけて!悪質な訪問販売 認知症高齢者 必要ない工事が4百万円?

7月掲載)

 

Q,認知症の高齢者が、同じ訪問販売業者と2回にわたり約4百万円の床下工事契約をし、現金払いしていた。工事は数ヶ月前に終わっている。何とかならないだろうか。

 

A,この相談は、デイケアサービスの職員が当事者から話を聞いて役場に通報し、役場から道立センターに相談があったものです。役場は通報を受けてすぐ床下に潜って工事の状況を確認、写真を撮りました。工事は床下調湿剤の散布、床下補強ジャッキ等による束柱工事など、広範囲に行われていました。

しかし床下は、建築時に地面にコンクリートを流し込んで湿気を遮断しており、調湿剤散布や補強工事などは不要と考えられる状況でした。センターは、これらの情報や写真をもとに建築専門機関に見解を聞きましたが、やはり床下工事は不必要と思われるという判断でした。
  センターは工事業者に対し、当該工事の必要性などを質しましたが、納得のいく回答はなく、大部分が不必要な工事であったことを認めました。契約当事者は認知症であり契約能力にも問題があることから、「契約の無効」と「原状復帰」を求めました。これに対し業者は、現在廃業中のため原状復帰はできない、資金的に全額返金は不可能なため半額としてほしい旨回答してきました。
  このため、当事者の親族に意向を確認し、総額約390万円のうち、2回目の契約金額の全額270万円の返金で合意し、口座に入金されたことを確認し、相談を終了しました。

一般的に、現金払いの契約で工事終了後時間が経過したものや、業者が倒産状態の場合、解約交渉は難航します。今回は返金額に問題は残りますが、消費者にとって身近な福祉施設と役場の連携、役場の担当者の親身な対応が解決に役立ちました。消費者被害救済における地域の連携や自治体の役割を痛感します。

 

成年後見制度の利用検討も

 最近、認知症の高齢者が数千万円ものリフォーム工事を契約させられていたことが判明し、社会問題となっています。道内も例外ではなく、無料点検と言って高額工事などを行う点検商法や、認知症など判断能力が十分ではない人を狙った悪質な訪問販売の被害が後を絶ちません。
消費者は、訪問時に社名や販売目的を告げない業者は信用しない、その場で契約せず慎重に検討する、業者任せにしないなどの注意が必要です。また、認知症などの場合は、成年後見制度(※)の利用などを検討することも必要と思われます。
※成年後見制度 判断能力が低下した人の財産管理等を後見人が行う。法定後見制度では後見人に代理権が与えられ、契約を取り消すことなどが可能。将来に備える任意後見制度もある。

 

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「マウンドレス型孔食」をご存知? 〜水道の水質で銅管が腐食〜

6月掲載)

 

Q,築後9年の自宅の浴室や給湯器の配管が、2年前から度々漏水する。この度4回目の漏水で床を張り直さなければならない。施工業者は、水道水の水質が原因で銅管内部が腐食してピンホールができるという。施工ミスではないので、補償できないというが、原因を特定していたのであれば、業者にも責任があるのでないか。

 

A,水道水が原因とみられる銅管の腐食・漏水の事例を自治体などに問い合わせたところ、10年ほど前に登別市で発生が報告されて以来、江別、北広島、恵庭、室蘭、小樽市などでも築後10年前後の住宅を中心に発生していることがわかりました。

  飲み水としてはなんら問題ないものの、水道水の水質によって銅管内壁から穴があくもので「マウンドレス型孔食」といわれています。
  対策は、内壁を錫メッキした銅管や樹脂管、ステンレス管を使用することです。自治体によっては、建築確認申請者にマウンドレス型孔食の発生率などを情報提供したり、広報で啓発しています。

  相談所は相談者に情報提供し、施工業者とよく話し合う助言しました。その結果、床と配管の補修費用172万円の内、住宅保険で152万円支払い、不足分の20万円を相談者と業者が負担することで合意しました。

  マウンドレス型孔食は、一般にはほとんど知られていません。従って、多発地帯の建築関係者や自治体はユーザーに発生の危険性、管の材質等¥を十分に情報提供することが求められます。

 

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マルチ商法の商品返したい 昨年11月に新返品ルール

6月掲載)

 

Q,友人から「いい話がある」と誘われた。会いに行くと仲間らしい人から「お金ほしい?」と聞かれてうなずくと、「美と健康を追求するネットワークビジネス」の話を長時間かされた。商品を購入して会員になり、友達を誘うだけで大金を稼げるという夢のような話だったので、30万円を払って会員になった。しかし冷静に考えると、簡単に儲かるはずがない。化粧品などの商品は手元にあるが、解約したい。

 

A,これは連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)というものです。解約トラブルが多いことから昨年、特定商取引法を改正して「中途解約の返品ルール」が導入されました。内容は(1)クーリング・オフ期間(契約書面が渡された日か商品が届いた日のどちらか遅い日から20日以内)が過ぎても退会できる(2)契約後1年未満の退会の場合は、引渡を受けて90日未満の商品で未使用の再販売していない商品は代金の10%以内の違約金で返品できるーなどです。(ただし平成161111日以降の契約に適用)

  相談者は販売目を告げられず呼び出されました。契約後90日以内の解約で、再販売していません。中途解約を文書で申し出るように助言し返金を確認して終了しました。

 

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マルチ商法の甘い誘い 「稼ぐ」つもりが逆に・・・・

5月掲載)

 

Q,昨年9月、友人に「飲みに行かないか」と誘われて一緒に行くと、Tに引き合わされた。「ぼくらはメンバーを集めている。初めてでも5万、10万は稼げる」とTに言われ、よく分からずに会合に出ることを約束した。
  会合では「知人を誘って入会させ、健康食品を購入させればポイントが上がり、高収入になる」という話だった。「自分を変えよう」「一緒に頑張ろう」などと励まされて入会した。「商品はまず自分が使って、納得して相手に勧めよう」と言われ、高価な健康食品を大量に購入契約し、毎日飲んだ。しかし、体に合わないものもあった。知人を誘っても断られた。未使用分を返品したい。

 

A,これは、連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)というものです。特定商取引法は、クーリング・オフの内容を記載した契約書面が渡された日か商品が届いた日のどちらか遅い日から20日以内であればクーリング・オフを認めています。相談者はクーリング・オフ期間内に一度、口答で解約を申し出ていたのですが、「もう少しがんばってみようよ」と説得されて機会を逃していました。

  しかし当相談所が契約内容を確認したところ、契約の締結後ただちに交付することを義務づけている契約書面が相談者に交付されていないことがわかりました。当相談所は事業者に対して、書面不交付の場合はクーリング・オフ期間が継続すること、販売目的を偽って相談者を誘いだしていること等を指摘して、解約に応じるよう申し出ました。その結果、法の消耗品の扱いに関する規定により、相談者が自分の意思で使用した分のみ支払い、未使用分を返品することで合意しました。

  相談者は「お金を稼ごうと思って入会したのに逆に取られてしまう感じだった」と述べています。新社会人や学生がねらわれるようです。うまい話には十分気をつけてください。

 

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化粧品購入すれば3年間エステ無料 未使用分は解約できる

4月掲載)

 

Q,自宅に「美顔エステの無料体験をしてあげる」と業者が来た。無料なのでしてもらったが、化粧品の話になり、購入を勧められた。何度断っても帰らず、3年間は2カ月に1回、自宅で無料でエステが受けられると言われ、根負けして3年分(約27万円)の購入契約をした。ところが、だんだん自宅に来なくなった。化粧品も肌に合わないので、中途解約を申し出たが断られた。

 

A,エステの契約は、特定商取引法の特定継続的役務提供()に該当し、理由の如何を問わず、規定の解約料を払うことで関連商品も含めて中途解約できます。しかし今回の事例は、エステは無料で、化粧品の売買契約です。この場合でも、特定継続的役務提供に該当し、中途解約できるか、が問われます。
  そこで北海道経済産業局にこの事例について問い合わせたところ「実態は化粧品と3年間のエステが一体の契約であり、特定継続的役務提供に該当する」というものでした。業者にこのことを伝え、対応を求めたところ化粧品の未使用分は中途解約になりました。なお、エステは無料ですので、解約料はゼロです。

(
)サービスの契約は、実際にサービスを受けてみないと内容がわからないことから、エステ、語学教室、学習塾、家庭教師、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の6業種を特定継続的役務提供契約に指定し、中途解約権を認めています。

 

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「こちらで試験地。モニターやって」 巧妙なディスポーザー販売

4月掲載)

 

Q,来訪した業者に「こちらはディスポーザーの試験地なので、モニターをしてほしい」と言われ、承諾した。モニター期間を終え、取り外しに来た業者に「4月からごみが有料化になるので生ごみ減量に役立つ。今ならモニター価格で提供できる」と言われ、購入契約をした。その5日後、ごみ有料化の話が事実と異なることを知った。ウソの説明での契約なので解約したい。

 

A,業者は契約の際「モニター価格なのでクーリング・オフはできない」と告げていました。そのため相談者は期間内にクーリング・オフの手続きをしていませんでした。

  相談所の助言で文書で解約通知を出したところ、業者からはクーリング・オフ期間が過ぎているので解約できない旨回答がありました。そこで相談所は業者に、クーリング・オフを妨害した場合は、クーリング・オフ期間が継続すること、事実と異なる説明をしたことなどを告げ、解約に応じるように申し入れました。その結果、業者は無条件解約に応じました。

  なお、生ごみを粉砕してそのま下水道に流すディスポーザーは、下水道施設に悪影響を与えるおそれがあるため、ディスポーザー単体の設置を禁止したり、使用自粛を求めている自治体もあります。このことは重要事項ですので、業者には勧誘時に十分説明することが求められます。

 

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初めて引越、トラブル心配 早めに準備 慎重に業者選定

3月掲載)

 

Q,夫の転勤で、初めて引越をすることになりました。引越にはいろいろトラブルも多いと聞いて、心配です。どんな点に注意したらよいのでしょうか。

 

A,引越で多いトラブルは、荷物の紛失やき損、クレームに対する対応の悪さ、約束通りに時間が守られなかった、などです。

 このようなトラブルを未然に防ぎ、もし発生してもスムーズに解決するための第一歩は、信頼できる業者選びです。国土交通省の許可を受けた運送業者で、たとえば()北海道トラック協会に加入している業者が信頼の目安になります。

 見積は引越予定日まで十分余裕がある時期に、複数の運送業者に依頼しましょう。見積書は無料(但し発送地、転居先での下見に要した費用を負担する場合がある)です。見積依頼するときは引越予定日、梱包に注意してほしい点などを伝えます。

 運送業者は見積時に「標準引越運送規約」を提示することになっています。約款には見積、荷物の受け渡し、運賃や解約に関することが記されています。また、後日トラブルになったときの運送業者の責任などが記されています。必ず目を通し、不明な点は確認しておきましょう。なお、見積時に内金や手付金の請求はしないことになっています。

 都合で引越予定日を延期したり、キャンセルする場合の解約手続きや手数料なども事前に知っていれば安心です。「格安料金」の運送業者を利用する時は、安い理由を聞き、保険に加入しているか確かめ、作業開始時間と終了時間、作業員人数などを文書で受け取ることも必要です。

 さて、引越が終わった後ですが、できるだけ早く荷物をチェックし、紛失はないか、荷物が壊れていたり、傷がついていないかを確認し、なにかあったらすぐに運送業者に連絡しましょう。運送業者の責任は、荷物を引き渡した日から3カ月以内です。双方で確認し、冷静に話し合いましょう。

 もし双方の話し合いでトラブルが解決しない場合は、消費生活センターや(社)北海道トラック協会、北海道陸運局自動車部貨物課に問い合わせてみましょう。

 

よく見よう 標準引越運送約款

 利用者と運送業者の約束事を決めた「標準引越運送約款」では、運送業者の責任で生じた損害賠償について業者の責任をおおよそ以下の様に規定しています。

・荷物の紛失やき損で直接生じた損害を賠償する(但し、利用者が荷物を受け取った日から3カ月以内に業者に通知しなければなりません)

・見積書に記載した受取日時、引渡日に遅延したことで生じた損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償する。

 

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親心つく学習教材の販売 小中9学年分を購入 道条例は「過量販売」を禁止

2月掲載)

 

Q,2年前、小学3年(当時)の息子用に「1日15分で成績が向上する教材がある」と勧誘された。小学6年分の4教科(国、算、理、社)のほか英語も勧められた。総額176万円にもなるし「英語は塾に通っているので必要ない」と断ったが、「英語はセット。教材は子供3人で使えるので高くない」と説得され契約した。

  その3ヶ月後、教材の使用方法の説明だ、と違う人が来訪。その際「中学用の教材は?」と聞かれ、「購入していない」と答えると、「エッ、ない!。それでは系統的な学習ができない」と言われた。高額な教材も中学用の教材がなければ効率が下がるものと思い、あわてて購入契約(同118万円)した。

  しかし、数年に一度学習指導要領や教科書の改訂があり、9学年分の教材を揃えても使えない可能性があること、英語教材はセットでないことがわかった。また、教科ごとの到達テストは一人使えば他の子供は使えない。未使用の小学用英語と理科教材、中学用教材を解約したい。

 

A,販売方法は、主に以下の問題があると考えられます。(1)希望していない小中9学年分の教材販売は過量販売にあたり、道条例で禁止されている(2)2回目の中学用教材の勧誘は「販売目的隠とく」にあたる(3)セット販売であると偽り、購入させているーなどです。

  しかし業者は問題点を認めません。相談者は販売方法に問題があるとして、信販会社2社に割賦販売法の支払停止の抗弁を主張、信販はこれを認めて請求を止めました。しかし1社は解決のメドが立たない時期に「期限の利益の喪失」()を示して支払請求を開始。未解決の段階で正当な理由なく請求を開始するのは問題だと申し入れました。

  業者にセールストークの問題点及び過量販売を主張し、交渉は半年間にわたりました。その結果、(1)小学用の英語と理科の教材は無条件解約とする。ただし、使用していた小学用教材(81万円)は再契約とする(2)未使用の中学用教材は当初、既払金(56万円)放棄での解約条件を提示されていたが、残存価値は100%あると主張し、年月の経過もあり、最終的に1割の違約金(約9万円)で解約することで合意しました。

  学習教材は、契約時には子供との相性や継続性が判断できません。セールストークを鵜呑みにせず、子供の到達度に合わせて、単学年ごとに購入する慎重さが必要です。

(
)期限の利益喪失 分割払いでは、支払期限まで返済しなくてもよい利益がある。その喪失とは支払期限の到来していない割賦金を請求されることをいうが、消費者に重大な契約違反等がある場合に限定されるとされている。

 

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平成171月号/絶対ダメ カードの名義貸し「謝礼する」と言われ・・・借金は名義人に返済義務

1月掲載)

 

Q,友人を通じて知った男性から「消費者金融であなた名義のカードをつくりかしてくれたら謝礼する」といわれ、カードをつくって渡した。「カードで引き出した借金の返済は責任を持つ」という約束だったが、守られず、合計90万円の返済が滞った。男性と連絡もつかなくなってしまった。どうしたらよいだろうか。 

 

A,その男性は「知り合いの大手金融会社の店長がノルマ達成のため協力者を募っている。協力者にはカード1枚あたり4万円謝礼する」と説明したといいます。相談者は、男性の指示通り消費者金融3社で3枚のカードを作り、借り入れた現金とともに男性に渡しました。男性はカード3枚分の謝礼12万円と借用書を相談者に渡しましたが、その後行方知れずになったとのことでした。

  このような相談が、昨秋から続発しています。相談者の多くは2122歳の若者で、アルバイト感覚でカードをつくり、知人の紹介とは言え知りあったばかりの他人に渡しています。この話を持ちかけた男性は同一人物と思われますが、「1時間4万円のアルバイトを紹介する」など、アルバイトのあっせんを装っています。相談者の中には、自分のクレジットカードを渡したり、新規契約した携帯電話を渡して「謝礼」をもらっていた人もいました。

  自分名義のローンカードやクレジットカードを他人の貸して使用された場合、カード所有者の管理責任が問われ、返済義務が生じます。男性が言った「大手金融会社の店長云々」の話が事実と異なれば、詐欺の疑いがあるので、警察に相談することを助言しました。しかし詐欺であっても、債務者である相談者の返済義務は残りますので、他人にカードを渡すことは絶対にやめてください。

 

カードの名義貸しは「盗難」とちがう

問われる名義人の管理責任

  「迷惑はかけないから、あなたの名前を使わせて(あなたのカードを貸して)」などと頼まれて名義やカードを貸した場合、それによって生じた支払義務は、原則として名義人にあります。「自分が借りたのではない」という言い分は通りません。たとえ詐欺であっても、名義人が支払いを果たした上で、本当に使った人に請求するしかありません。また、名義貸しはカード会社等をだます行為であるとも言えます。たとえ依頼があっても絶対に応じてはいけません。

  なお、カード管理に不注意がないのに盗難にあった場合、すぐ警察とカード会社に盗難届を出せば、不正使用されても保険が適用され、支払は免除されるケースが一般的です。

 

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